公園のジャングルジムに蜘蛛の糸 炎火
琉金の二十五センチ弔えり
祭終え男の透ける雨合羽 薪
夏休み人体透視図鑑視る
ヘッドフォンはずしてごらん蝉が鳴く 洋子
くちなしや少女は長き脚を組む
華氏という名の香水を求めけり 一煌
梅干してきらきら煌めくベランダ
笛太鼓神を寝かせぬ祭の夜 歩智
幼児のピヨピヨゾウリ夏祭
麓より祭囃子や喘ぎ来る 豊春
握手して別れしままや夏の宵
坂下り江ノ電渡れば夏の海 余白
夏雲に姿隠して八月の機
仏壇の扉は閉じたまま大暑 雲水
鳥のほか食べるべからず蝉時雨