枯れ松葉センターラインを描きおり 鼓夢
師走午後ゆったり刻む検査音
ダッシュ百本御幸の浜に冬の涛 薪
水面打つ鴨の助走の力かな
山茶花のさも無き風にほろほろと 稱子
しぐるるや黙決め込みし山の木々
忘年会はしょりて急ぐ君の許 洋子
蓑虫や地球を信じ揺れるのみ
ねんねこやもぞと動きて猫の声 海人
冬銀河我人生是迷路也
薄墨の衣まといて山眠る 章子
粕汁や湯気の向こうに母の顔
蓮根の宅急便や年の暮 歩智
来るも良し友来ぬもよしおでん鍋
子等駆けて校長笑みし冬の朝 豊春
粕汁や弔辞文言閃きぬ
冬の川音呑みこんで流れをり 一煌
身にひびく音の多かり師走かな
中東やサンタクロース発光す 炎火
忠実に嗽手洗いマスクする
月の出は馬込百坂前後あり 余白
ありがたや地産地消の柿の味
美しきまなこ輝くマスクかな 雲水
十二月八日の私自爆テロ