一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

3009 岩戸句会 8月

2023年09月10日 | 

伊豆山の花火に鎮魂手を合わす   伊豆山人

盆の月初島照らす灯台か       〃

  

夕散歩追尾執拗アオマツムシ    豊狂

夏の夕破れ幟と仕舞屋と       〃

 

猛暑日の真夜中に聞く蝉時雨    流水 

寝苦しき闇を切り裂く救急車     〃 

 

かくれ湯へ長き廊下や虫の宿    吟

邯鄲や答え待つかに間を置いて   〃

 

雲散って空の青さや夏薊      黒薔薇       

小川路きらきら泡ふく沢蟹     〃

                         

静けさを奏でる小川赤とんぼ    信天翁

秋立ちてせせらぎの音風の音     〃

 

遠ざかる昭和夾竹桃の白      紅

連山の青き嶺々雲の峰       〃

 

小ヤモリが葉っぱの裏で雨宿り   ことり

夏休みこのひとときは陶芸家    〃

     

ボンベ引きずり共に夏生きる    余白

疎開先蝉の鳴く声父の森       〃

 

縁の糸ただ一心に墓洗う      心

今生を惜しみて鳴ける秋の蝉    〃

     

赤とんぼ廃墟に沈む夕富嶽     吠沖

こころのなかあちこち迷走夏颱風  〃

 

七夕や湯気立ちの釜銀河菓子    翠風

七夕や満天の星朝茶事       〃

 

休み窯空のこころにちちろ鳴く   釣船

原爆忌・敗戦日・盆・無為徒食    〃


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