一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2082  蜘蛛の網の一本を切る蜘蛛落ちる  海人

2019年08月06日 | 

 八メートル幅の道路の真ん中から一本の蜘蛛の糸が垂れていて、左右の木立の枝にも一本ずつ繋がれ、真ん中に立派な蜘蛛の巣があり小さな蜘蛛がいた。私は、驚きと共に、どうやって巣を作ったのだろうという疑問が浮かんだ。

 一番上までは自力で登ったとしても、左右に糸を張るのは至難に違いない。可能にするのは、やはり風だろうか。海風に揺られて右の木に届き、山風に吹かれて左の木に届いたのだろうか。この句を見たとき、そんな情景を思い起こした。

 この句には、大泥棒犍陀多が、後から登ってくる罪人たちに「下りろ」と喚いたとたんに糸が切れ、真っ逆さまに元の地獄に落ちた話。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」が、底辺に流れているのかもしれない。

コマツナギ(駒繋ぎ)


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