一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2027   第269回 岩戸句会 1月

2019年01月31日 | 岩戸句会

北風に身を細め行く深き夜    沙会

澄み渡る大気の中に冬の星

 

初社彫師伊八の波しぶき     薪

線量汚染の放置茶畑北風吹けり

 

平成の御世の終わりの星冴ゆる  佳津

雲間より日の射す海や雪時雨

 

虎落笛病んだ心に棘を刺し    海人 

風冴ゆる子を抱く母の大き胸

 

宝船吉祥天女の麗しき      さくら

初詣時代遅れで生くもよし

 

初句会蜜柑金柑緊張感      裕

犬が呼ぶ散歩しようか枯木立

 

羽根付きも凧も最近見ないわね  貴美

お正月苺頬張るしあわせを

 

冬ざれの河原の小鳥群れなして  イヨ

鳴く風の窓打つ音や春隣

 

微笑みの着物を競う初稽古    鞠

初稽古競う着物の微笑まし

 

初夢は人口知能による平和    炎火

廃材が華となりけりどんど焼 

 

言祝やもてなし過すひと日なり  洋子 

茶の花やグレイヘヤーに迷う日々

 

赤信号ダウンコートの背比べ   美部

冬うららシャラポワの声で目がさめる

    

初烏切り絵となりて舞い騒ぐ   豊春

マスクして化粧重ねてランニング

 

松過ぎを待ちて逝きたる友ひとり 歩智

松過ぎて動きたくないわたし達

 

幸せのひとつ冬日のぬくさかな  稱子

畳紙に母の筆文字初茶の湯

 

黄昏に庭の照明黄水仙      余白

公園に手袋片手落とし物

 

初詣ここも太古は海の底     雲水

権現を諸手に抱き山眠る

 

 


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