一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1272   河童忌や逢魔時のナイフ研ぐ   万年青

2014年07月13日 | 

(かっぱきや おうまがときの ナイフとぐ)

 逢魔時(おうまがとき)、大禍時(おおまがとき)とは、夕方の薄暗くなる、昼と夜の移り変わる時刻。魔物に遭遇する、あるいは大きな災禍を蒙ると信ぜられた時刻。暮れ六つ,夕暮れ、黄昏(誰彼)。ヒトの目が、宵闇の暗さに順応する前の状態にある時間帯。

 河童忌は、7月24日、芥川龍之介の忌日。芥川龍之介と言えば、自殺を思い出す。そこで、自殺をした有名な文学者を調べてみた。

北村透谷、芥川龍之介、有島武郎、太宰治、火野葦平、三島由紀夫、田宮虎彦、川端康成、江藤淳、森村桂、鷺沢萠

 日本では、年間3万人が自殺するというから、文学者の自殺が特別多いとは言えない。渡辺淳一の恋愛小説『失楽園』は、有島武郎がモデルだとか。

キバナコスモス(黄花コスモス)

 

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1271   一声で初蜩を収めけり

2014年07月11日 | 

(ひとこえで はつひぐらしを おさめけり) 

 台風8号が接近する最中の夕方、今年初めてのヒグラシが鳴く。気温は高く生温かかった。風雨は大したこともなく、台風に運ばれた南風のせいだろう。

 ブログを始めてから、4回目の初蜩だが、以下の通り、7~14日の1週間以内に収まっているのが見事。 

2014、7、10

2013、7、 7

2012、7,14

2011、7,13

キバナコスモス

 

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1270   青梅雨に滾つ坂東太郎かな   ひろし

2014年07月10日 | 

(あおつゆに たぎつばんどう 太郎かな) 

 青梅雨は、今頃の山々の青葉が茂る頃に降る梅雨。滾つとは、古くは「たきつ」と言い、「たぎる」と同源。水が激しくわき立つ。水が激しく流れるさま。

 「坂東太郎」は、利根川のことで関東(坂東)で一番大きい(太郎)川という意味。

 戦後、昭和22年のカスリーン台風は、9月に発生し、関東地方や東北地方に大きな災害をもたらした。降水量が多い典型的な雨台風であった。この台風による死者は1,077名、行方不明者は853名、負傷者は1,547名。その他、住家損壊9,298棟、浸水384,743棟、罹災者は40万人を超え、戦後間もない関東地方を中心に甚大な被害をもたらした。

ノハナショウブ(野花菖蒲)

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1269   河骨の花芽次々台風来るか

2014年07月09日 | 

(こうほねの はなめつぎつぎ たいふうくるか) 

  河骨は、長い花茎の先端に1つだけ、5弁の萼(がく)の黄色い花を咲かせる。葉には、水中葉と水上葉があって、水中葉は薄くてやや透明で、ひらひらしている。

  さてと、最近の天気予報はよく当たるから、梅雨の最中だというのに台風直撃の気配。日本列島を縦断しそうなのだ。沖縄では、早被害が出始めているから、今のうちに台風対策をやっておこう。

コウホネ

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1268   戦争をしたがっている夜光虫   五星

2014年07月08日 | 

 夜光虫は、直径1ミリほどの植物性プランクトンで、昆虫のホタル同様体内で光る。よく似たウミホタルは、動物性プランクトンでミジンコの仲間。ルシフェリン-ルシフェラーゼという光る物質を体外に放出することによって発光させている。いづれにしてもこの句、夜光虫が戦争をしたがっている、という訳ではあるまい。

 さて、外国に目を向ければ、アフガン内戦、シリア内戦、イラクのスンニ派対シーア派、イスラエルとパレスチナ、ウクライナとロシア・・・・・

 歴史を見てもそうだが、究極人間は戦争が好きなのだ。但し、90パーセント余の平和主義者が、数パーセントの武力を持つ好戦主義者に仕切られている、と言った方が良いだろう。

 日本の軍隊、自衛隊を動かすことができるのは、国民ではなく政治家や官僚なのだから、彼らが好戦的になるのは必然なのだ。

シモツケ

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1267   藪っ蚊や泡盛「どなん」と鬼瘡魚

2014年07月07日 | 

(やぶっかや あわもりどなんと おにかさご)

  釣り好きの知人がワイフとトイプードルを連れて、今朝伊豆山港で釣ったというカサゴと鬼カサゴを持ってやって来た。仕事は直ちに中止して、テラスで一杯。鹿児島出身の酒が強い彼には、与那国島の「どなん」という60度の泡盛が似合う。魚は三枚に下ろしてあるので、そのまま刺身で。それと丁度あったキュウリの浅漬けと枝豆。

 どういう訳か、酒を飲んでいない彼のワイフだけが藪っ蚊に刺されている。いやいや、不思議なことがあるものだ。

コマツナギ

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1266  第214回 6月 岩戸句会

2014年07月04日 | 岩戸句会

風鈴と洗い晒しの軍手哉      炎火

大袈裟に書けば打ち水沸湯す

 

折り返すバス耿耿と蛍の夜    薪 

路を掃く音枕辺に夏の朝

    

蛍来いポリープ二つ飛んで行け   洋子     

三本のマッチ使いて蚊遣り焚く

 

残光の謎めく軌跡蛍の灯      豊春

青虫の隠遁術や七変化

 

ぬくき手や足元悪しき蛍狩り    歩智

蝶か蛾か毛虫にそっと問うてみる

                               

自分史のところどころに百合が咲き 章子 

文通のいつしか途絶ゆ恋蛍

 

万緑や山いっぱいを深呼吸     鼓夢

錨星早苗の水を渡りゆく

 

夏衣透けし白色整えて       一煌

歳かさね化粧の心半夏生 

   

五十年余嫁し住む町や著莪の花   稱子

夏の雷たちまち烟る妙義山

 

火を曳いて絡むばかりの蛍かな   雲水

明易やあの世の父におこられて

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1265   自分史のところどころに百合が咲き   章子

2014年07月03日 | 

 最近「自分史」が大流行りである。世に有名な人々が残した「自叙伝」以外に、平凡に暮らしてきた人が晩年に、自身の生涯を書き綴ったものが「自分史」である。

 しかし、「自分史」を書くことに意義はあっても、自費出版して一体どうなるというのか。貰ったのが有難迷惑で、ゴミ箱に捨てられるのがオチである。まあ、出版社が喜ぶだけだ。

  さて、日本には15種の百合があり、7種は日本特産種だそうである。代表的な種に、ヤマユリ、オニユリ、カノコユリ、ササユリ、テッポウユリ、オトメユリなどがある。

百合の花ことばを調べてみて驚いた。「純潔」「無邪気」などと真逆の「虚栄心」「偽り」などもある。

グミ(茱萸)

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1264   蛍来いポリープ二つ飛んでゆけ   洋子

2014年07月01日 | 

 近年、「大腸の検査で、ポリープが見つかり、切除した」などという話をよく聞く。調べてみると、胃ポリープ,大腸ポリープ,膀胱ポリープなどが代表的なものだそうである。とにかく最近の医療は、MRIや内視鏡などの機械が幅を効かし、検査技術が進んでいる。従って、病気は増える一方、病人も増える一方、医療費もかさむ一方である。又、医者はパソコンを眺め、患者や患部などろくに見やしない。

 さてこの句、全く無関係の「蛍とポリープ」を取り合わせ、「来いと行け」を結び付けた発想が実に面白い。しかし、作者のポリープは、飛んでゆくのだろうか。

 もしかすると、親が子に「痛いの痛いの飛んでけ」という「おまじない」があるから、このポリープは作者のものではないのかもしれない。

アカメガシワ(雄花)

 

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