一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1536   ふるさとをきっぱり捨てて暑に耐ふる   かずや

2015年07月05日 | 

  友人が朝日俳壇を持って来た。今週は、久し振りにそれぞれの選句の中に私の好きな句があった。

  さて、その中の一句、この句の具体的なものと言えば、「故郷」と「暑」のみである。「ふるさとをきっぱり捨てた」とは、どういうことであろう。父母や家屋、田畑が故郷にあっては、「きっぱり捨てて」とは決して言えないはずだ。つまり、作者は若者ではないだろう。

 帰る家や土地を全て処分して、都会に住む人なのだ。「暑に耐ふる」と言っても、最近はエアコンなる物があって室内ならば快適に過ごすことはできるが、田舎の涼しさに勝るはずはなく、多少の後悔があっても不思議ではない。

 「きっぱり捨てた」と言っているが、多少どころか、「暑に耐ふる」作者にとって、大きな代償と後悔を伴っているに違いない。

タツナミソウ(立浪草)

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1535   さくらんぼワイングラスで食べました   鞠

2015年07月03日 | 

 この句を見て笑ってしまった。私の師匠多留男先生の色紙の絵を思い出したからだ。作者はその絵を知らなかっただろうから、早速色紙入れから取り出して見せ、色紙掛けに掛けてみた。更に、写真を撮ってこのブログに載せてみました。

 ところで、「ワイングラスで食べる」というのはどこか変だ。「箸で食べる」「入れ歯で食べる」は正しい。しかし、「ワイングラスで飲む」が正しいのだから、「ワイングラスで食べる」もきっと正しいのだろう。日本語は難しい。

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1534   第226回 6月 岩戸句会

2015年07月02日 | 岩戸句会

いとおしむ生命のあかり金蘭よ   章子

夏至の日やなんか得したひと日なり

 

シャンプーの香る少年蛍の夜    薪

浜昼顔錆濃き線路跨ぎおり

  

鵜篝の照らす水面や翁の目     豊春

夏燕地這うごと来て反転す

    

墨文字の滲む貼り紙夏祓い     歩智

山盛りの山成り胡瓜山と買い 

 

風青く協奏曲のレベル上げ     鼓夢

老鶯を浴びて一日の始めとす

 

滴りや怪我せし指のもどかしさ   洋子

カフェテラス地場夏野菜並びおり

   

肺胞に伝うニコチン滴れる     炎火

合歓の花酸素を出してくれている

 

正論が空廻りする蚊遣香      雲水

箱根路やどの滴りも青かりし

 

漬物を盛りし器の茄子絵柄     余白

そこかしこ未熟青柿道に墜ち

 

滴りのふくらみしおり煌めける   稱子

青葉風日がな一日鳥啼いて

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1533   梅雨寒や時に近くて遠き人   さくら

2015年07月01日 | 

 年賀状など、季節の形式的な挨拶しかしない友人から、数年振りに電話があった。久し振りに話してみると、昔の思い出話やら現状のことなど諸々に及び、楽しい長電話になってしまった・・・・・などと想像してしまった。

  ところで、この句を見て思ったのは、「梅雨寒や時に遠くて近き人」と逆にすると、例えば、今日の夫はいつもと違って私の話を上の空で聞いたり、話してもどうも頓珍漢である。ボケが始まったのかしら。最近こんなことが時々ある・・・・・などと想像してしまった。

シロツメクサ(白詰草)

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