8時起床。大浴場でシャワーを浴びる。朝は浴槽に入ることは出来ない。これまでそれを不便に感じることはなかったが、真冬のこの時期は、シャワーだけだと結構寒い。
今日の講義は、中小企業向けの融資(審査含む)や回収を担当している金融機関の職員さん2名を講師に招き、金融機関から見た企業再生のあり方について学んだ。そして、今日のこの講義が、一番生々しくて、面白かった。
金融機関は、融資先の企業を、その企業の経営状態に基づいて厳密にランク付けしている。そして、そのランクによって、融資するかしないかが決まる。そして、基本的にはランクの上位2種(正常先、要注意先)に分類される企業以外については、簡単に融資はしてくれない。それは、単純に回収の可能性が低いからという理由だけでなく、法律の規定により、融資先のランクによってその融資金額の一定割合を貸倒引当金(損金=利益を減少させるもの)として計上しなければならず、当然ながらその割合はランクが下がるほど増えるからである。つまり、ランクの低い企業に融資をすると、余分に経費を計上しなければならない(つまりは利益が減少する)のである。だから(再生を目指す)企業は、通常は受けられない融資を受けたい、もしくは通常より良い条件で融資を受けたいのであれば、自社のランクを上げる努力や工夫をする必要に迫られる。そして、その工夫の代表格が、経営改善計画書と呼ばれる計画書の作成である。以前、金融円滑化法が施行されていた頃は、実行可能か否かはそれほど関係なく、とにかく計画を作れば融資をしてもらえるという状況だった。しかし、今はもうそのような状況ではない。今求められているのは、どのくらいの期間で黒字化するのか、債務超過の企業であればそれを解消するのか、そしてどのくらいの期間でお金を返すのか、といった内容を、より現実味を持った形で提示することである。
昼食は、近くのヨーカドーのフードコートに入っている「ポッポ」のたこ焼きと今川焼。講義の中でたこ焼きの話が出て、どうしても食べたくなった。
午後も、引き続き同内容の講義。実際の経営改善計画書の作成方法や、具体的に再生支援の申込みがあった際にどのようなヒアリングを行い、どういった点に注意するべきかについて、講義やロールプレイングなどを通して学んだ。これらを通して感じたのは、私たち支援機関と金融機関の連携の重要性である。金融機関はよく、「晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げる」と言われる。それは実際その通りである。しかし近年は、景気後退の影響で中小企業を中心に企業の倒産・廃業が相次いでおり、それは金融機関にとっても取引先の減少を意味しているため、そこへの危機感から本格的な企業支援に取り組む金融機関も増えてきている(まあ、実際には金融庁からの指導による効果という面も否めないのだろうが…)。特に、地域密着型の地銀や信金、信組(信用組合)などは、その使命に「地域の活性化」が掲げられていることからも、そのような支援に積極的である。そこで、私たちのような支援機関と連携し、ただお金を貸すだけでなく、様々な観点から経営全体の改善向上を目指す取り組みが重要視されている。実際、私の組織でも地域の金融機関と連携して、共同でセミナーや商談会を実施したり、具体的な企業支援に取り組んだりしている。今後、このような取り組みを更に活性化させていくことが、地域中小企業の活性化に大きく寄与するのではないかと感じられた。
夕食は、東大和市駅近くにある老舗のステーキ屋「テキサス」へ。17時の開店と同時に入店し、「シャリアピンステーキ」を注文する。赤ワインで漬け込んだ牛肉を、玉ねぎなどを使ったシャリアピンソースで食べるステーキだ。イメージとしては、濃厚なビーフシチューのお肉をがっつり食べる感じだろうか。私はこれがとにかく大好きで、何ならこれを楽しみに研修に来ていると言っても過言ではないくらいである。今日も、最後までステーキをお替わりするかどうか本気で悩むほどだった(最終的には何とかその誘惑に耐え抜いた)。
18時前に帰宅し、入浴を済ませる。報告書が全て終わっているので、その後は部屋で本を読んだりYouTubeを観たりして過ごしたのだが、それもそれほど長くは続かず、22時前にはもう寝ることにした。この時間に寝るなんて、一体いつ以来だろう。普段であれば全く眠くない時間だが、ここの寮生活だと、なぜか気持ち良くすっと眠ることが出来る。