社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

1月27日(水)

2016年02月04日 00時51分51秒 | 2016年

  8時起床。大浴場でシャワーを浴びる。朝は浴槽に入ることは出来ない。これまでそれを不便に感じることはなかったが、真冬のこの時期は、シャワーだけだと結構寒い。

  今日の講義は、中小企業向けの融資(審査含む)や回収を担当している金融機関の職員さん2名を講師に招き、金融機関から見た企業再生のあり方について学んだ。そして、今日のこの講義が、一番生々しくて、面白かった。

  金融機関は、融資先の企業を、その企業の経営状態に基づいて厳密にランク付けしている。そして、そのランクによって、融資するかしないかが決まる。そして、基本的にはランクの上位2種(正常先、要注意先)に分類される企業以外については、簡単に融資はしてくれない。それは、単純に回収の可能性が低いからという理由だけでなく、法律の規定により、融資先のランクによってその融資金額の一定割合を貸倒引当金(損金=利益を減少させるもの)として計上しなければならず、当然ながらその割合はランクが下がるほど増えるからである。つまり、ランクの低い企業に融資をすると、余分に経費を計上しなければならない(つまりは利益が減少する)のである。だから(再生を目指す)企業は、通常は受けられない融資を受けたい、もしくは通常より良い条件で融資を受けたいのであれば、自社のランクを上げる努力や工夫をする必要に迫られる。そして、その工夫の代表格が、経営改善計画書と呼ばれる計画書の作成である。以前、金融円滑化法が施行されていた頃は、実行可能か否かはそれほど関係なく、とにかく計画を作れば融資をしてもらえるという状況だった。しかし、今はもうそのような状況ではない。今求められているのは、どのくらいの期間で黒字化するのか、債務超過の企業であればそれを解消するのか、そしてどのくらいの期間でお金を返すのか、といった内容を、より現実味を持った形で提示することである。

  昼食は、近くのヨーカドーのフードコートに入っている「ポッポ」のたこ焼きと今川焼。講義の中でたこ焼きの話が出て、どうしても食べたくなった。

  午後も、引き続き同内容の講義。実際の経営改善計画書の作成方法や、具体的に再生支援の申込みがあった際にどのようなヒアリングを行い、どういった点に注意するべきかについて、講義やロールプレイングなどを通して学んだ。これらを通して感じたのは、私たち支援機関と金融機関の連携の重要性である。金融機関はよく、「晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げる」と言われる。それは実際その通りである。しかし近年は、景気後退の影響で中小企業を中心に企業の倒産・廃業が相次いでおり、それは金融機関にとっても取引先の減少を意味しているため、そこへの危機感から本格的な企業支援に取り組む金融機関も増えてきている(まあ、実際には金融庁からの指導による効果という面も否めないのだろうが…)。特に、地域密着型の地銀や信金、信組(信用組合)などは、その使命に「地域の活性化」が掲げられていることからも、そのような支援に積極的である。そこで、私たちのような支援機関と連携し、ただお金を貸すだけでなく、様々な観点から経営全体の改善向上を目指す取り組みが重要視されている。実際、私の組織でも地域の金融機関と連携して、共同でセミナーや商談会を実施したり、具体的な企業支援に取り組んだりしている。今後、このような取り組みを更に活性化させていくことが、地域中小企業の活性化に大きく寄与するのではないかと感じられた。

  夕食は、東大和市駅近くにある老舗のステーキ屋「テキサス」へ。17時の開店と同時に入店し、「シャリアピンステーキ」を注文する。赤ワインで漬け込んだ牛肉を、玉ねぎなどを使ったシャリアピンソースで食べるステーキだ。イメージとしては、濃厚なビーフシチューのお肉をがっつり食べる感じだろうか。私はこれがとにかく大好きで、何ならこれを楽しみに研修に来ていると言っても過言ではないくらいである。今日も、最後までステーキをお替わりするかどうか本気で悩むほどだった(最終的には何とかその誘惑に耐え抜いた)。

  18時前に帰宅し、入浴を済ませる。報告書が全て終わっているので、その後は部屋で本を読んだりYouTubeを観たりして過ごしたのだが、それもそれほど長くは続かず、22時前にはもう寝ることにした。この時間に寝るなんて、一体いつ以来だろう。普段であれば全く眠くない時間だが、ここの寮生活だと、なぜか気持ち良くすっと眠ることが出来る。


1月26日(火)

2016年02月04日 00時07分52秒 | 2016年

  8時起床。大浴場でシャワーを浴び、身支度を整える。研修開始は9時40分なので、朝はかなりゆっくり出来る。

  今日の講義は、弁護士の先生を講師に招いて、法的整理の具体的な内容や流れ、抑えるべき法律知識等について学んだ。法的整理には、再建を目指す民事再生や会社更生、清算を目指す破産や特別清算がある。企業再生というとメインはあくまで再建を目指すものだが、場合によってはこれ以上傷口を広げないためにソフトランディングさせることが必要な場合もある。また、法的整理の場合には、弁護士や会計士、中小企業診断士など、各分野の専門家がチームを組んで取り組むことになる。それくらい負担が大きい作業なのだ。実際にこのような経験をすることは少ないし、少ないに越したことはないのだが、このような選択肢があるということを知っていることは重要だろう。

  昼食は、東大和市駅の近くにあるイタリアン「MOTHERS」で、トマトソースのラグーパスタを頂く。渋くてスマートな店長と味の良さで人気のお店で、いつでも混んでいる。今日も、少し待った。しかし、待ってでも食べたいくらい、このお店は好き。

  午後は、法的整理の具体的な手法や着眼点について学んだ。基本的には整理をする企業を支援するという視点で講義は進んだのだが、私が最も印象に残ったのは、「もし支援先の取引先が法的整理を行った際に、出来るだけ債権を回収するために必要なことは」という論点だった。私たちのような支援機関の場合、実際に相談を受けるとしたらこちらのパターンのほうが可能性が高い。中小企業にとって取引先の倒産は、それが大口であればあるほど、受注先の喪失や多額の貸倒れという企業生命に関わる大問題である。そのようなリスクを回避するために、今日学んだような債権回収方法を準備しておくことは重要なBCPであろうと思う。

  夕食は、ちょっと趣向を変えて、ケーキを食べに行く。寮からは徒歩で20分ほど、多摩モノレールの上北台駅近くにある「お菓子工房 伸」へ。ショーケースの前で散々悩み、この時期限定で出ているというピスタチオクリームを使ったショートケーキ「フレジェ」と、熊本産の栗を使った「球磨栗モンブラン」を選ぶ。飲み物は、ベルガモットオレンジティー。このお店は2階が喫茶コーナーになっていて、選んだケーキをすぐに食べることが出来る。今回選んだケーキは見た目も美しく、味も素材独特の風味が活かされていて、思わず「なるほど」と思わせる美味しさだった。ケーキを夕食にするなんて、妻に聞かれたら「栄養面が…」と小言のひとつやふたつ頂くことになるだろうが、たまにはこういう日があってもいいじゃない。

 

  18時過ぎに寮へ戻り、入浴と洗濯を済ませ、昨日同様仕事の報告書に取り掛かる。溜まっている報告書が5本あったので、ちょうど1日1本完成させようと思っていたのだが、結局今日で全ての報告書が完成した。順調順調。

  それにしても、ここ(東大和市)は気温が低い。夜になると、一層寒さが身に染みる。