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9月6日(月) ワーケーション②

2021年09月08日 08時05分13秒 | 2021年

 6時45分起床。

 朝食はヨーグルトと娘の残したトマトやブロッコリーなど。

 妻と娘を見送ってから急いで家事を片付け、身支度を整える。

 昨日の日記でも書いたように、今日はワーケーションに出掛ける。行き先は三重県の湯の山温泉に決めた。

 新横浜8時18分発ののぞみ207号に乗り、名古屋へ向かう。

 所要時間は1時間20分。休憩なしで書類を読めるギリギリのちょうど良い時間である。座席も空いている最後方車両を選んだので、とても静かで素晴らしい環境だ。

 移動中の仕事には向いている作業とそうでないものがあると思うが、私の仕事では比較的向いている作業が多い。文章を書いたり、書類を読んで赤を入れたり、計算をしたりといった作業に関していえば、机に向かっているよりも移動中の車内のほうが集中できるくらいである。単に私が鉄道オタクだからかもしれないが。

 あっという間に名古屋に到着する。

 名古屋駅の在来線ホームに寄り道をする。まずは長野行きの特急しなの号。先月の大雨で中央西線が不通となってしばらくは運休していたが、遂に運転を再開した。またワーケーションの機会があったら、今度はこれに乗ってみるのもいいかもしれない。

 金沢行きの特急しらさぎ号は発車直前だった。北陸新幹線の開業前は、この経路で金沢へ行ったこともあった。

 近鉄名古屋駅へ移動し、私が乗るよりも先発の特急たちを見送る。この時間帯は10分間隔で各方面への特急が出発していく。

 まずは宇治山田行き特急。一般車両と呼ばれる種類の特急車両である。かわいい顔をしている。

 続いては、昨年3月にデビューした特急ひのとり号。名阪甲特急は、現在この80000系車両で運転されている。スタイリッシュでかっこいい。座席もプレミアムシートだし、今度大阪へ行くときは敢えて名古屋からこの列車に乗りたい。

 かつて名阪甲特急を担っていたアーバンライナーも入ってきた。今は同じく名阪の乙特急を中心にフレキシブルな運用をされており、様々な路線で活躍している。

 新旧の名阪甲特急が並ぶ姿は壮観である。ちなみに、近鉄では停車駅の少ない速達型特急を「甲特急」、停車駅の多い一般型を「乙特急」と呼んでいる。所要時間の差は明確だが、列車としての魅力は甲乙つけがたいと思う。

 いよいよ、私の乗る10時10分発の鳥羽行き特急の順番が回ってきた。先ほどの区分けでいうと、こちらは名伊乙特急となる。

 私がこの列車を選んだのは、ビスタカーと呼ばれる車両で運行されるからである。2階建て車両が特徴で、もちろん何度かリニューアルはされているが、私が生まれる前から走っている。

 時間の関係で顔の撮影は後回しにして、車内へ入る。志摩スペイン村のキャラクターがお出迎えしてくれる。

 もちろん2階席を予約した。

 2階建ての分だけ天井は低いが、窓が大きいので開放感がある。設備はやや年季が入っているものの、それがまた良い味を出している。

 定刻通りに名古屋を発車する。やはり、2階席からの眺めは最高だ。キーボードを打ちながらも、ついつい顔を上げてしまう。

 30分ほどで四日市に到着。やはりビスタカーは最高だ。もっと乗っていたかった。

 そのまま四日市駅でしばらく待ち、後続の特急しまかぜ号を眺める。近鉄が誇る高級観光列車で、様々な種類プレミアム座席や個室、食堂車などもあり、なかなかチケットが取れないことで有名である。今回、実は今朝の予約の段階でこの列車の展望席の最前列が空いていたので、最後まで先ほどのビスタカーとどちらに乗ろうか迷った。最終的には「しまかぜはまだまだ長く現役で走るでしょ」という理由で選ばなかったが、実物を見ると超がつくほどかっこよかった。次回は是非。

 湯の山線ホームへ移動し、普通列車に乗り換える。

 予想どおり、車内はガラガラ。前回同様、この時期のワーケーションでは「密を避ける」ことが最重要課題であることは言うまでもないが、そういう意味ではここまでは完璧である(結局最後まで完璧だった)。

 湯の山温泉までの所要時間は約25分。のどかな景色を眺めながら移動する。

 11時半前に湯の山温泉駅に到着。これぞ終点という雰囲気の駅である。

 駅から少し歩いたところにあるお店で昼食を取る予定にしていたので、1キロほど歩く。景色が素晴らしい。

 しかし、お目当てのお店は休業中だった。こればかりは仕方ない。再び駅へ戻り、タクシーに乗って湯の山温泉へ。駅から温泉街までは3キロ近くあるので、さすがにこの時期は歩けない。

 「ホテル湯の本」で日帰り入浴をさせて頂く。

 まずは大浴場へ。ちょうどお昼の時間ということもあって、私以外には誰もいない。泉質は単純温泉(弱アルカリ性)で、柔らかいお湯である。肌はすべすべになるし、身体も軽くなっていく。

 上の階にある露天風呂にも行ってみる。こちらも完全貸切状態。そして、聞きしに勝る景色である。こんな景色を見ながらお風呂に浸かれるなんて最高だなと、ついつい長湯する。

 露天風呂へ続く渡り廊下で少し休憩。これぞ湯の山温泉という景色である。名古屋と四日市はかなり暑かったが、標高が高いからだろう、こちらはかなり涼しい。山から吹いてくる風がとても気持ちいい。

 ホテルを出て、少し散策。すぐにロープウェイ乗り場に出る。が、乗らない。

 温泉街を眺めながら山道を下りていく。

 途中で大黒天様にお参りをする。とても温かい笑顔の大黒天様である。思わずこちらの頬も緩む。

 湯の山温泉の名所のひとつ、涙橋へ出る。その名の由来を読んで驚かされた。赤穂浪士の討ち入りの直前に、こんな悲しい別れがあったとは。覚悟を決めている大石内蔵助はともかく、見送る側はどんな気持ちだったのだろう。

 翠明館という旅館の敷地内にある「Cafe Suimei」で昼食をとることにする。

 さて、何を食べようか。

 トンボもおすすめしているようなので、ちょっと奮発してこれにしよう。

 鮎は注文してから焼くので、30分ほど掛かるとのこと。店内の雰囲気もとても良いので、ゆっくり待つことにする。

 とりあえず、ジンジャエールで喉を潤す。

 結論から言うと、とんでもなく美味しい料理だった。メインの鮎や真菰麺はもちろん、小鉢に至るまで全てに手が込んでいる。特に、写真でいうと真ん中にある、茄子の中におからを詰めた一品が絶品だった。

 鮎も、ここまで美味しいと感じたのは初めてかもしれない。肉厚だし、適度に脂ものっている。こんな鮎が食べられるなら、30分くらい余裕で待てる。

 お会計の際に、どの料理も本当に美味しかった(特に茄子とおからはすごかった)ですとお伝えしたら、お店の方々がとても喜んでくださった。こちらも更に嬉しい気持ちになる。ありがとうございました。ご馳走様でした。

 再び温泉街を歩く。お風呂で全身すっきり、美味しい料理で胃は大喜びしており、足取りはすこぶる軽い。

 このまま駅まで歩いちゃおうかなんて思いつつも、さすがにそこは自制心が働いて、バスセンターへ。しかし、定期便のバスが来る気配が全くない(そもそもバスセンターなのにバス停がない)ので、先ほどお世話になったタクシー会社に電話をして迎えに来て頂く。

 14時前に湯の山温泉駅へ戻ってきた。

 さあ、帰ろうか。

 四日市からは急行に乗り換えて名古屋へ。後から来る特急に乗ろうかとも思ったが、先ほどの湯の山線でロングシートでも普通に書類チェックが出来るということがわかったので、素直にやってきた列車に乗ることにした。

 しかし、結局そのロングシートには座らず、先頭車両からの景色を眺めていた。ちょっと景色が良すぎる。

 名古屋に着くと、今度は伊勢志摩ライナーの車両が停車していた。これで名古屋駅を発着するほぼ全ての特急車両と会えたことになる。

 すぐに新幹線に乗り換える。一瞬、名古屋の街に出てみようかとも思ったが、ここまで来て人混みに身を投じるのはなんだかなと思い直した。また、いずれ。

 お土産を買い、15時14分発ののぞみ110号で帰途につく。敢えて端っこの車両を選んだからというのもあるのだろうが、JR東海は大丈夫だろうかと心配になるほど空いている。

 車内販売で買ったアイスクリームを食べる。スジャータが素晴らしいのはもちろんだが、それにしても新幹線で食べるアイスがこんなに美味しいのはなぜだろう。

 帰りの所要時間も1時間20分。正直に言おう、予定していた仕事は全然終わらなかった。まあ、そもそも普通に在宅勤務でやっていても1日では終わらない量だったのだが。

 17時過ぎに帰宅。iPadのデータをパソコンへ移し、作業を続ける。やはり、終わらない。明日は素直に在宅で仕事をするか。

 保育園へ娘をお迎えに行く。妻が残業で遅くなるというので、先に娘とお風呂に入っていつでも寝られるようにしておく。娘は保育園でお友だちから教えてもらったであろうプリキュアのダンスを踊ってご機嫌である。そろそろプリキュアも録画してあげたほうがいいのだろうか。

 洗濯を済ませ、娘を寝かしつける。娘が寝息を立てはじめたなと思ったところまでは覚えているのだが、結局そのまま寝落ちしてしまう。

 目が覚めたら3時半だった。歯磨きをして、すぐに布団へ戻る。