社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

1月29日(金)

2016年02月08日 23時39分43秒 | 2016年

  7時半起床。昨日までより30分だけ早く起き、身支度を整えてから荷造りを完成させる。今回も、寮生活は快適だった。

  せっかくなので、食堂へ朝食を食べに行く。朝食チケットをもらったものの1度も使っていなかったので、最終日くらいきちんと朝食をとることにした。当初は和定食(塩鮭定食)か洋定食(ミネストローネ)で迷っていたのだが、食堂の方がうどんも選べると教えて下さり、それを選ぶことにした。しかも、うどんを選ぶと唐揚げ丼が付いてきた。ありがたいが、さすがに朝から炭水化物×2、更に唐揚げはつらい。

  最終日の講義は、昨日に引き続きグループ演習。先生の実際の支援先である喫茶店を対象に、再生計画を作り上げる。実際の事例になると、様々な問題が複雑に絡み合ってきて、検討事項も多岐に及ぶ。しかし、その分演習としての面白さは格段に上がった。現状把握に始まり、経費の削減、売上高拡大のための戦略構築と、何だかひとつの物語を作り上げていく気分である。ホワイトボードの前にグループ全員で立ち、夢中になって議論した。

  昼食は抜きで、そのまま午後の講義へ入る。一通りの検討を終えた後、グループ毎に発表。経費の削減案についてはどこのグループも大体同じ方向性なのだが、売上高の拡大策や今後の具体的な戦略になるとグループ毎の色が濃く出て、中には、自分たちとは全くと言っていいほど反対の考え方もあれば、思いもよらなかった発想もあり、とても参考になった。更に、それぞれの発表について、先生が具体的な良い点と更なる検討が必要な部分を細かく指摘して下さって、それもまた勉強になった。総じて、1週間の最後に相応しい充実した講義だったように思う。先生と受講仲間の皆さんに感謝である。

  講義終了後、多摩モノレールの上北台駅近くにあるトヨタレンタカーで車を借り、トランクにキャリーバッグを詰め込んで帰途につく。八王子ICから中央道を経由して圏央道に入り、厚木PAに立ち寄って、「さがみ食堂」でかなり遅めの昼食。厚木名物の「とん漬」を使った定食を食べる。味噌風味の豚肉がとても美味しい。お腹もペコペコだったので、一気に平らげた。

  圏央道がそのまま湘南バイパスの藤沢までつながっているので、本郷台までスムーズに帰ってくることが出来た。荷物を降ろして簡単な荷解きを済ませ、またすぐに車に乗って、今度は埼玉の実家へ帰る。首都高が少し渋滞していたが、それほど時間は掛からずに実家へ戻る。

  夕食は、「ミスターギョウザ」の餃子定食。昼食からそれほど時間は開いていないが、ここの餃子はそれでも美味しく食べられる。

  実家へ帰り、サンと戯れる。何だかんだ言っても、実家へ帰ると肩の力が抜けてリラックスできる。


1月28日(木)

2016年02月05日 00時39分08秒 | 2016年

  8時起床。大浴場でシャワーを浴び、身支度を整える。

  今日と明日は、月曜日と同じ中小企業診断士の先生を講師に迎え、具体的な再生計画の立案演習をグループワークで行う。具体的な事例を元に、まずはヒアリング項目を整理し、どのような情報を収集する必要があるかについて考える。今回の研修全体を通して学んだのは、何より先に資金繰りの現状を把握しなければならないということである。極端な話、もしかすると支援先は明日に迫った支払いが出来ない状態に陥っているかもしれない。そのような場合、何はともあれ、その資金をどのように集めるか、もしくは何とかして支払いを先延ばしに出来ないかを考えなければならない。直近の資金繰りに問題がないかを確認できて初めて、腰を据えた再生支援に取り組むことが出来るのである。

  昼食は、東大和市駅前にある蕎麦屋「丸越」のすき焼きうどん。当初は鍋焼きうどんを食べようと思っていたのだが、そのメニューを見て、「そういえば、実家では昔、すき焼きの最後にうどんを入れて食べていたな」という思い出がよみがえり、思わず注文した。甘じょっぱいすき焼きのタレに、うどんはよく合う。そういえば、最近は実家ですき焼きをしてもうどんを入れなくなったが、どうしてだろう。

  午後も、引き続きグループ演習。論点は、収益性の改善に移る。収益性の改善、つまりは利益創出のためにまず取り組むのは、経費の見直しである。利益率が10%の企業の場合、10万円の利益創出のためには売上を100万円増加させなければならない。一方で、経費を見直して10万円減額させれば、その金額がそのまま利益となる。どちらの取り組みがより容易かは明らかだ。そして、具体的な見直しのポイントとしては、業種により差はあるものの、無料省エネ診断の実施等による光熱費の削減や不要な資産の売却、保険の見直し、役員報酬を含んだ人件費の削減などは全業種に共通する部分だろう。まずは経費を削れるだけ削る。売上高の拡大は、その後だ。そんな話を聞きながら、「あ、これって野球と一緒だなー」と思った。近年は賛否両論あるようだが、野球には昔から「打線は水物」という格言がある。実力に比例して安定的な結果が出る守備に対して、攻撃には好不調の波があり、必ずしも実力通りの結果が出るとは限らない、というものである。これは企業経営に置き換えてみれば、「売上は水物」となる。どんなに良い商品でも、外部の様々な環境変化によっては、全く売れない時もある。一方で、経費の削減は外部環境の影響はほとんど受けず、努力すればするだけの効果が出るのだ。野村克也さんが監督時代に守備力(投手力)を重視したように、企業の監督(経営者)もまずは経費に目を向けなければならない。

  夕食は、寮の近くに最近出来たらしいインドカレー屋「ドゥルガダイニング」へ。バターチキンカレーとバターナン、タンドリーチキン、ドリンクにはバナナラッシーを注文。最初に出て来たバナナラッシーの美味しさに驚かされる。バナナジュースのまったりとした甘さと、ラッシーの喉ごしの良さが相まって、濃厚な味と飲みやすさが両立されている。ただ、カレーは少ししょっぱさが気になった。

店内ではお線香がたかれ、お供え物が置かれている。

絶品、バナナラッシー。

  寮生活最後の夜なので、近所のヤオコーでフルーツの盛り合わせとプリンを購入し、寮へ戻って食べる。私なりの打ち上げである。久しぶりに飽きるほど果物を食べた。

  洗濯を済ませ、ある程度の荷造りを済ませてから、22時前に就寝。こういう生活リズムが理想だとはわかっていても、続けることは現実的に難しい。


1月27日(水)

2016年02月04日 00時51分51秒 | 2016年

  8時起床。大浴場でシャワーを浴びる。朝は浴槽に入ることは出来ない。これまでそれを不便に感じることはなかったが、真冬のこの時期は、シャワーだけだと結構寒い。

  今日の講義は、中小企業向けの融資(審査含む)や回収を担当している金融機関の職員さん2名を講師に招き、金融機関から見た企業再生のあり方について学んだ。そして、今日のこの講義が、一番生々しくて、面白かった。

  金融機関は、融資先の企業を、その企業の経営状態に基づいて厳密にランク付けしている。そして、そのランクによって、融資するかしないかが決まる。そして、基本的にはランクの上位2種(正常先、要注意先)に分類される企業以外については、簡単に融資はしてくれない。それは、単純に回収の可能性が低いからという理由だけでなく、法律の規定により、融資先のランクによってその融資金額の一定割合を貸倒引当金(損金=利益を減少させるもの)として計上しなければならず、当然ながらその割合はランクが下がるほど増えるからである。つまり、ランクの低い企業に融資をすると、余分に経費を計上しなければならない(つまりは利益が減少する)のである。だから(再生を目指す)企業は、通常は受けられない融資を受けたい、もしくは通常より良い条件で融資を受けたいのであれば、自社のランクを上げる努力や工夫をする必要に迫られる。そして、その工夫の代表格が、経営改善計画書と呼ばれる計画書の作成である。以前、金融円滑化法が施行されていた頃は、実行可能か否かはそれほど関係なく、とにかく計画を作れば融資をしてもらえるという状況だった。しかし、今はもうそのような状況ではない。今求められているのは、どのくらいの期間で黒字化するのか、債務超過の企業であればそれを解消するのか、そしてどのくらいの期間でお金を返すのか、といった内容を、より現実味を持った形で提示することである。

  昼食は、近くのヨーカドーのフードコートに入っている「ポッポ」のたこ焼きと今川焼。講義の中でたこ焼きの話が出て、どうしても食べたくなった。

  午後も、引き続き同内容の講義。実際の経営改善計画書の作成方法や、具体的に再生支援の申込みがあった際にどのようなヒアリングを行い、どういった点に注意するべきかについて、講義やロールプレイングなどを通して学んだ。これらを通して感じたのは、私たち支援機関と金融機関の連携の重要性である。金融機関はよく、「晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げる」と言われる。それは実際その通りである。しかし近年は、景気後退の影響で中小企業を中心に企業の倒産・廃業が相次いでおり、それは金融機関にとっても取引先の減少を意味しているため、そこへの危機感から本格的な企業支援に取り組む金融機関も増えてきている(まあ、実際には金融庁からの指導による効果という面も否めないのだろうが…)。特に、地域密着型の地銀や信金、信組(信用組合)などは、その使命に「地域の活性化」が掲げられていることからも、そのような支援に積極的である。そこで、私たちのような支援機関と連携し、ただお金を貸すだけでなく、様々な観点から経営全体の改善向上を目指す取り組みが重要視されている。実際、私の組織でも地域の金融機関と連携して、共同でセミナーや商談会を実施したり、具体的な企業支援に取り組んだりしている。今後、このような取り組みを更に活性化させていくことが、地域中小企業の活性化に大きく寄与するのではないかと感じられた。

  夕食は、東大和市駅近くにある老舗のステーキ屋「テキサス」へ。17時の開店と同時に入店し、「シャリアピンステーキ」を注文する。赤ワインで漬け込んだ牛肉を、玉ねぎなどを使ったシャリアピンソースで食べるステーキだ。イメージとしては、濃厚なビーフシチューのお肉をがっつり食べる感じだろうか。私はこれがとにかく大好きで、何ならこれを楽しみに研修に来ていると言っても過言ではないくらいである。今日も、最後までステーキをお替わりするかどうか本気で悩むほどだった(最終的には何とかその誘惑に耐え抜いた)。

  18時前に帰宅し、入浴を済ませる。報告書が全て終わっているので、その後は部屋で本を読んだりYouTubeを観たりして過ごしたのだが、それもそれほど長くは続かず、22時前にはもう寝ることにした。この時間に寝るなんて、一体いつ以来だろう。普段であれば全く眠くない時間だが、ここの寮生活だと、なぜか気持ち良くすっと眠ることが出来る。


1月26日(火)

2016年02月04日 00時07分52秒 | 2016年

  8時起床。大浴場でシャワーを浴び、身支度を整える。研修開始は9時40分なので、朝はかなりゆっくり出来る。

  今日の講義は、弁護士の先生を講師に招いて、法的整理の具体的な内容や流れ、抑えるべき法律知識等について学んだ。法的整理には、再建を目指す民事再生や会社更生、清算を目指す破産や特別清算がある。企業再生というとメインはあくまで再建を目指すものだが、場合によってはこれ以上傷口を広げないためにソフトランディングさせることが必要な場合もある。また、法的整理の場合には、弁護士や会計士、中小企業診断士など、各分野の専門家がチームを組んで取り組むことになる。それくらい負担が大きい作業なのだ。実際にこのような経験をすることは少ないし、少ないに越したことはないのだが、このような選択肢があるということを知っていることは重要だろう。

  昼食は、東大和市駅の近くにあるイタリアン「MOTHERS」で、トマトソースのラグーパスタを頂く。渋くてスマートな店長と味の良さで人気のお店で、いつでも混んでいる。今日も、少し待った。しかし、待ってでも食べたいくらい、このお店は好き。

  午後は、法的整理の具体的な手法や着眼点について学んだ。基本的には整理をする企業を支援するという視点で講義は進んだのだが、私が最も印象に残ったのは、「もし支援先の取引先が法的整理を行った際に、出来るだけ債権を回収するために必要なことは」という論点だった。私たちのような支援機関の場合、実際に相談を受けるとしたらこちらのパターンのほうが可能性が高い。中小企業にとって取引先の倒産は、それが大口であればあるほど、受注先の喪失や多額の貸倒れという企業生命に関わる大問題である。そのようなリスクを回避するために、今日学んだような債権回収方法を準備しておくことは重要なBCPであろうと思う。

  夕食は、ちょっと趣向を変えて、ケーキを食べに行く。寮からは徒歩で20分ほど、多摩モノレールの上北台駅近くにある「お菓子工房 伸」へ。ショーケースの前で散々悩み、この時期限定で出ているというピスタチオクリームを使ったショートケーキ「フレジェ」と、熊本産の栗を使った「球磨栗モンブラン」を選ぶ。飲み物は、ベルガモットオレンジティー。このお店は2階が喫茶コーナーになっていて、選んだケーキをすぐに食べることが出来る。今回選んだケーキは見た目も美しく、味も素材独特の風味が活かされていて、思わず「なるほど」と思わせる美味しさだった。ケーキを夕食にするなんて、妻に聞かれたら「栄養面が…」と小言のひとつやふたつ頂くことになるだろうが、たまにはこういう日があってもいいじゃない。

 

  18時過ぎに寮へ戻り、入浴と洗濯を済ませ、昨日同様仕事の報告書に取り掛かる。溜まっている報告書が5本あったので、ちょうど1日1本完成させようと思っていたのだが、結局今日で全ての報告書が完成した。順調順調。

  それにしても、ここ(東大和市)は気温が低い。夜になると、一層寒さが身に染みる。