はちきんizyのアメリカ丼

料理にすると丼カップル
はちきんイジーとアメリカンいごっそうバッキーの
山あり谷ありの国際結婚ブログです。

初めて感じた出来事

2010-02-19 | 
青年期に 精神分裂病 と診断され

20代に ロボトミー を受けた父は 感情の見られない人だった。


私が6-7歳の時に彼は入院した。

その頃からだと思うが 強い薬 を取りはじめ 

その副作用のひとつである 口渇 がひどく

それもあってか 彼は 口数も少なかった。



父との会話 と云うものを 私はほとんど覚えていない。


父が病院から外泊を数日間もらうと

私たちは 帯屋町 と呼ばれる アーケードの商店街へ買い物に行った。

父は 友人へのお土産に 抹茶や和菓子 それに本を何冊か買った。


確か 私が高校1年か2年の時だった。

祖母は亡くなっていたが 父が外泊している間 

私たちは 曾祖母の離れを使う事が出来

そこで数日 寝泊りしていた。



いつものように 買い物をして

それらを手提げのついた大きな紙袋に入れ 

いつものように 私がそれを持ち

高知城の周りの お堀 に沿って走る歩道を歩いて

西町にある その家に向った。




その歩道には 2-3段の小さな階段がある。

その階段を上がろうとして

父はそのひとつに つまずき 手に小さなかすり傷を作った。

それを見て 私が

”家に着いたら バンドエイド 貼っちゃうきえ。”

と云った。

そして 2-3歩 歩き始めた所で

父が 黙って

私が持っていた大きな紙袋を すっと 取りあげた。


私は立ち止まり 彼の横顔を見たが

父は何も言わず 紙袋を持ったまま まっすぐ 歩いて行った。


何と云う事はない 出来事 だろうが、

これが私にとって 初めて感じた 父からの気持ち だった。





亡くなる数年前の父

場所は 海の見える病院で、、、、




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映画 Dear John を見て 父とのこの日を思い出した。