主人の想い～Kさんの事故２

翌日　仕事に行くと　ベーカリーの　マネージャーから

Kさんの事を聞かれた。

Kさんの事故を　ラジオのニュースで　知り

彼女はとても　心配を　していた。


数年前に　彼女の従弟が　居眠り運転で　事故を起こし

相手にかなりの　怪我を　させた事があり　人事でないようだ。

訴訟の多いアメリカでは　珍しい事に

彼女の従弟の事故は　医療費の請求だけで

簡単に　済んだという事だったが、　

もし　Kさんが跳ねた男性が　訴訟をおこしたら

Kさん一家は　何もかも　失う事になるかもしれない

と　そんな事を話していた。



まして　その男性が　亡くなることになったら

それこそ　Kさんは　刑務所　に入ることになる。



その夜　帰宅した主人に　Kさんのことを聞くと、




”まるで　何事もなかったように　仕事の話をするんだ。

Kさん　きっと　何をどう考えたらいいのか　わからないんだと思う。”


と　主人が言う。


私が

　”Kさんが訴えられたりしたら　経済的に　大変な事になるらしい。”


と　言うと

主人は　急に　大きな声をたて　


”みんな　そんな　外面の事でなく

Kさんの気持ちを考えてあげろ。”

と　怒って言った。


事故のあった日　会社の車を運転していたKさんに

訴訟なり　なにかが起こっても　保険で　カバーが　出来るらしく

社長は　簡単に


”心配する事はないよ”


と　軽く　あしらっており　

それが　主人にすると　腹立たしい　ようだ。

お金で解決できない　深い問題　を持っているKさんの気持ちを考えるようだ。　


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