娘が興味を持った安価な家が建つ街まで
車を走らせながら
すでに
娘がその家に住み始めでもしたかのように
職場からの距離や
冬の道路状態などを考える自分、、、、笑
そんな想像の中で
頭から離れなかったのは
その家の庭で遊ぶ
チャンスとレイラの姿、、、でもあった。
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娘が家を買えば
ワンズも一緒に暮らせる、、、のだ。
小さな街だったので
さほど 迷う事もなく その家は見つかった。
小さな二階建ての家の周りに
花壇が幾つかある。
サイトで見た写真のままだ。
見ると
高齢の男性が手押し芝刈り機で
グラスを刈っている。
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(もしかしたら この家の持ち主かもしれない) と
思った私は
通りに 車を駐車し
その男性の方に歩いて行った。
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私に目をやったその男性は
芝刈り機を止め
"ちょっと休まないと、、、な"
と言って
私の方に近づいて来た。
背丈が私とほとんど変わらない
白髪のその男性に
"この家の持ち主の方ですか?"
と聞くと
優しい笑顔を私に向け
"そうですよ。" と言う。
明日 不動産屋を通して
娘がこの家を見に来る事。
自分は仕事があり来る事ができない為
外観だけでもと 今日、見に来た事、、、、
を 伝えると
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" 家の中を見ますか?"
と言ってくれるではないか
ラッキー!!来た甲斐があった、、、 と
心の中で踊りまくって喜ぶ私は
彼の後について
その家の中に入った。
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家の中を案内しながら
" 不動産屋から
勝手に家の中を見せてはいけない と
言われてるんだけどね、、、"
と 白髪の男性が 何度も呟く。
してはいけない事を
してもらっている事 が
申し訳なくも感じられる上
家のオーナーを目の前にしている事もあり
家の内装で
褒めることが出来る箇所が見つかる度に
それを話題にする自分がいた。
そうやって 息つく暇もなく
お喋りをしてしまった 一番の理由は
不動産屋のサイトに載っていたこの家の写真と
実際に この目で見る物とが
大きく違う事に、、、驚き
ガッカリした自分を
隠す為でもあった、、だろう。