Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

美湾

2018-01-04 20:19:54 | 日記

   さて、この時のご主人の話に思い当たってから2年以上が過ぎます。現在私はご主人のお勧め通り当時の新聞を止めて他の新聞を取っています。それは、何故ご主人が怒っておられたのかよく分かったからです。嘘つきな新聞と言う言葉にも納得出来ました。加えて、当時私は事実を言っておられたご主人に対して、その新聞を擁護さえしたのだと思うと、事実を知った時の私の怒りはその時のご主人の怒りにも負けず劣らずであったといえるでしょう。カンカンでした。もう決してこの新聞は取らないわ、そう心に固く誓いました。以降、新聞の再購読の勧誘に来られても頑として断っています。(余談でした。)

 私はスクリーン席に移ってから、間近で映像が大きく見えるので喜んでスクリーンに映る画面を鑑賞していました。記憶に残っている画面は、大阪や京都などの日本の観光地をコマーシャルしている内容の物です。例えば清水寺、有名な恋愛成就の石に向かって目隠しして歩き、躓いて感動するという物。顔を輝かせて嬉しさの感動に浸る外国人女性、このパフォーマンスに思わず微笑ましく思い笑ってしまいました。他にも湯豆腐に…豆腐、また豆腐、と、日本での食事が豆腐続きの献立に、呆れた、もう結構というような含み笑顔の外国人女性が、目で訴えるパフォーマンスの食事風景。これも笑ってしまいました。日本食の代表がお豆腐だと言わんばかりの編集に、女性の表情がうまく効いていると思ったんです。でも、お豆腐が美容食で、これだけ日本では豆腐尽くしなのよ、という女性向けのビデオだったんでしょうか。美容食たっぷり、縁結び祈願、そんな独身女性向けのCMフィルムだったのかもしれません。兎に角、見ていた私には思わず吹き出してしまう面白さがあるフィルムでした。

 あははははと、声に出して笑ってしまう私の愉快さ加減に、横にいたガイドさんが面白いですか?と言われるので、ええ、外国人向けフイルムらしいんですが、日本人が見ると笑えるフイルムですね。と私が答えると、そんなに面白いのなら後で見てみますね、とガイドさんも仰っておられました。ガイドさんはそのまま又ひと眠りされたようですが、私はもう暫く画面を見ていました。その後私もひと眠りに入りました。

 ははははは、ガイドさんの笑い声に目を開けると、ガイドさんは私が見た物とは違うフイルムを見ておられたようでした。これ、面白いですよ。そう言われたのですが、今度は私の方の眠気が勝ってしまい、私はそのフイルムを見逃してしまいました。思えば、機内でもそれなりに楽しめるオーストラリア旅行でした。

 「逆も真なり」と言いますから、「お互い様」の関係になる旅行同士になるのでしょうね。ご家族連れの奥様も仰っておられましたが、「日本からなら、オーストラリアにだけ来ていればよいですよ。ここにはヨーロッパもアメリカもアジアもあるから。時差もそう無いし。」は、本当に的を得た言葉だと思いました。私にとっても、また来てもよいなと思えた海外旅行となりました。行って来てよかったです。簡単な最後になりましたが、これでこの旅行記は終了です。

 

(写真は帰国時の機内食のメニューです。冊子が残っていたので載せてみました。右から表表紙、1ページ。1ページ目アップ。2ページ英文、和文。ランチ英文。ランチ和文。リフレッシュメント:軽食、英文と和文。リフレッシュメント、英文アップ。リフレッシュメント、和文アップ。お飲み物、英文と和文。お飲み物、英文アップ。お飲み物、和文アップ。裏表紙です。機内食も楽しみの一つですね。行のメニューは荷物になるので、最初のホテルでゴミ箱行になったと思います。)


美湾

2018-01-04 19:33:23 | 日記

   さて、もう機内です。飛行機は滑走路へと滑り出しました。私の手摺を持つ指に力が入りました。が、心配した程の事は無く、比較的穏やかにジェット機は大空へと飛び立ちました。水平飛行に入ると皆一息着いた感じで、長い飛行時間に向けて想い想いの準備を始めました。

   私は機内でフルムーンのご主人と話した記憶と、同行ガイドさんと話した記憶があるので、途中で誰かと席を変わった様です。ご主人とは新聞の話をしていました。ご主人は、当時私の取っていた新聞は良くないと言われるので、私は良いと勧められたので取った事を話しました。読んでいて自分でも良い新聞だと思うと言うと、至極真面目な顔で変えたほうが良いと助言されました。

   「いったい誰があそこの新聞を勧めたのかね。」

と言われるので、学校の社会の先生が社説を読むと大学入試に役立って良いと言われたというと、ご主人はかなり腹立たしげに

「あんな嘘つきな新聞。」

とムッツリされて、怪訝な顔をしている私を横に、又は前後にかもしれませんが、全く黙ってしまわれました。以降は黙々と何か読んでおられたようでしたが、その後徐々に席替えが行われ、最終的に私はガイドさんと並んでスクリーンのすぐ前の席になりました。私達の前にはスクリーンの下に壁のような仕切りがあるだけです。

   「この席もいいんですよ、こうやって足が伸ばせますから。」

と、彼女は手本を示して壁に足をかけました。成る程、足がまっすぐに伸ばせて楽そうでした。私もすぐにやって見ました。こんな事初めてです。バスや汽車でもしたことがありません。飛行機ならではの事だと感心してしまいました。

   よく旅行されて飛行機に乗られるだけに何でも知っておられるのだなぁと、流石ガイドさんだと思います。ちょっと行儀が悪いかなとも思いましたが、ガイドさんが勧められるのだから、これが飛行機旅行でのコツというものなのだろうと、私は1つ覚えて帰れて良かったと思うのでした。

 


美湾

2018-01-04 10:44:29 | 日記

 私の両親は昭和一桁の年代でしたから、全て勿体無いの年代でした。食べ残すという事が出来無いよう躾けられていたんですね、全てが万事そうでした。部屋に大急ぎで戻った私は、慌てて洗面を済ませ、リュックや手荷物を持って部屋を飛び出しました。おかげで集合時間には如何やら間に合いました。

 この日の日程は、

 「3/11(水)

  シドニー発 10:55 AN883 空路帰国の途へ。

  大阪着   18:30 着後、解散。」

です。

 本当にこれでこの旅は最後になります。機内風景を残すのみです。

 (ホテルのキーの入った封筒。)

 

 ここで写真集です。遡って本文に挿入しようとしたのですが、丁度良い記事を探すのに手間取ってしまいました。それでここで一気に並べることにしました。改めて調べてみると、高島屋でのお土産購入日が先に書いた日の1日前であったり、コアラの写真撮影の表紙にパークの名前が入っていたり、もっと資料を活用しないといけないと感じました。申し訳ありません。人の記憶というのは当てにならない物ですね。

 (ホテルの領収書。名前からもシドニー湾のすぐそばの立地という事が分かります。)

 (シドニー市内観光で撮った記念写真。バックに見える大きな橋がハーバーブリッジです。左から表表紙、中左、中右、裏表紙です。裏表紙の絵はよくアップしたので見慣れていますね。1999年3月10日撮影。)

 (コアラとの記念撮影。よく見ると表紙に「THE AUSTRALIAN WILDLIFE PARK TM AT WONDERLAND SYDNEY」とありました。何でも注意深く見ないとだめですね。) (オーストラリアンワイルドライフパークのスーベニア・マップです。写真左から、三つ折りの表紙、中全体、右折込、裏、表紙全体です。

マップを見て思いだしてみると、コアラの生活している場面など眺めたように思います。お土産店も覗いた気がします。人懐っこいカンガルーに餌をやる事が出来ると書いてありましたから、ここのカンガルーはよく人慣れしていたのでしょうね。シドニーの動物施設に行くなら、この場所で長時間時間を取った方が良いと思います。

 

 今になってこのパンフレットをよく読んでみると、私なら、自由時間もここで取った方がよかったと思いました。私の方で何か誤解があってシドニー湾に戻ってしまったのかもしれません。前の動物園の愛想のないカンガルーに懲りて、動物園より海を眺めたかったのかもしれません。この時点では大トカゲにも懲りていましたから、幾ら動物好きな私でも、動物自体見たくなかったのかもしれません。)

 


美湾

2018-01-04 10:18:31 | 日記

「どんな曲ですか?」

ガイドさんに重ねて質問されて、私はその曲は「パッフェルベンのカノン」だと答えるのでした。この曲は当時私の家族が好きな曲でしたから、私も自然と好きになっていました。ここでも自然に頭に浮かんで来たもののようでした。キンコンと2音か3音したところで、これはカノンの曲だと気付き、続きは意図的にスプーンで弾き出したものでした。…あくまで私の空想の世界での出来事です。

 「すみません。何だかぼーっとしてしまって。」

そうガイドさんと話しながら、あれこれと彼女に話す内に、デザートプレートの場所の青年の話やその事から連想した昔の話、掃除の男性の話、気分を引き立てようと海を見詰め始めた話まで、私が一通り手短に事情を話し終え、彼女にご心配かけてすみませんと謝ると、

「それはいいですけど、時間ですよ。」

と注意を促されるのでした。そうです、朝の出発集合時間まで後10分程だったでしょうか。私は時計を見て慌てました。ガイドさんはすぐに立ち去って行かれましたから、私も殆ど手付かずのメロンと紅茶を目の前にして、これから如何しようかと迷いました。

 食べずに残していこうか、食べるにしても1分程の時間しか割けないと思うのでした。決断も時間に押されています。私はフォークとナイフで生ハムをくるくるとメロンに巻き付けると、パクパクパクと一気に平らげて、残った紅茶を見て溜息を吐き、徐にカップの取っ手に手を伸ばすと、グイーッと一気飲みして、パッと両手に食器を持って立ち上がり、片付けコーナーに向かいました。セルフサービスだったのです。私は大急ぎでその食器を置くと、急いでエレベーターへと歩み出しました。