Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

土筆(96)

2018-06-10 09:40:15 | 日記

 「ねえ、お父さん。」

帰宅した私は、その日疑問に思った事を父に尋ねるのでした。

「外で女の人に会ったら、年より若く言った方がいいのよね?」

私はその日迄に、外で大人の女の人に会ったら、という心構えを父から教わっていました。見た目より若く言いなさいとか、綺麗だとか女の人が喜ぶような事をお愛想に言って上げなさいというような事です。父からは具体例を挙げて説明してもらっていました。

 例えば、どこそこのお姉さん、あの人は20代だから、17、8に見えると言うといい。どこそこの奥さんは30代、だから10歳ほど若くして、25、6に見える、まあ、あの人なら22、3でもいいかもしれない、とか。八百屋のおばさんは40代、多分な、だから30くらいに見えるといって置けば、まぁ大丈夫だろう。それで皆も喜ぶだろう。

 もし他の女の人に会ったら、今まで言った3人の女の人の顔を思い浮かべて、会った人が例えで言ったどの女の人の顔に近い年か考えて、考えた近い顔の人を、若くして幾つ幾つに見えるといった年があっただろう、その年の方を言っておきなさい。

 例えば、知らない人がどこそこのお姉さん位の年に見えたら、17、8ですね。奥さんなら、22、3ですね。そういう風に言えばいいんだ。お前が見て判断した年でいいから、それぞれに合わせた若く見える年を言えばいいだろう。ま、今言った中にはお姉さんもいるけど、大人の女の人には若く言えば喜ばれるから、そうしなさい。

 「まぁ、お前にはこんな話は分からないだろうから、おぼさんにはお姉さんといって置けばいいくらいかもしれない、兎に角、見た目より若く言いなさい。」といった具合でした。

 そこで私は「どこそこのお姉さんのように見えれば、17、8。奥さんは22、3。八百屋のおばさんなら30ね。」、分からなければ、何でも、おばさんにはお姉さんと、頭に控えて覚えておきました。そして、父の教えを発展させて、お姉さんなら女の子でもいいんだろうな、そんな風に考えたりしました。

 また、女の人が喜ぶお愛想というと、容姿関係、顔が可愛いとか奇麗だとか、服や着物が素敵だとか、やはり綺麗だも使えるぞ、お似合いですねとか、素敵ですね、というような事を、お前が目の前の相手を見て、どれを言うか判断して使う言葉を決めると良い。という風に教わっていました。

 私の問いかけにそうだと答えて返事をした父に、私は「おばさん可愛い、女の子みたい。」って言うと変かしら?、怒ったおばさんがいたんだけど、怒るおばさんの方が変なのよね。と同意を求めたのでした。