翌日、職員室で私は、担任の先生に嬉しく申込書を提出しました。
担任の先生はあれっという感じで、これ申し込むのと言われます。
小学生向けの1冊だけのコンパクトな百科事典でした。
そして、とても悪戯っぽそうな目つきで、フーンという感じになりました。
他に事典持ってないの?今更でしょうこんな(安っぽい)事典、ポケットといっても大きいよ。
と言われます。見本は展示してあったと思うので、大きさや重さは大体わかりました。
確かにポケットに入る小型ではないし、机にどんと重く置いて調べるタイプです。
そして百科というにはコンパクトな収納量です、1冊だけですから。
普通は小学2年で揃える物だよ、百科事典なんて。どーんとぞろっとね。
まだ持ってなかったの?家に無いの?
せめて4年生までには、それでも遅いくらいだよ、5年生では遅いよ、百科事典を家に置くには。と言われます。
思いの外に先生の反応が冷ややかで、話が長くなったのでびっくりしていました。
百科事典にそのような取り揃え時期があったなんて、全く知りませんでした。
「君のお父さんも、案外だなぁ。」
と、先生はちょっと呆れた感じで、以ての外だと言うと、
一言いって置かなくては、と言い、意気に燃える一本気な教育者の顔をされるのでした。
結構厳しくて、真面目で、教育熱心な先生であったなと、これを書いていて思い当たりました。
後に中学の校長先生になられたと聞いています。
(後日談なのですが、このかなり後に、家で父が「5年で遅いやの、5年で遅いと言われたんだ」と、泣いていたのを見たんですが、これに関係あるのでしょうか?当時は全く気が付きませんでした。あんなにしょ気ていた父は初めて見ました。)
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