葉山の四季

葉山の四季をお伝えしたいと思います。

「尿前の関」は「おくのほそ道」の臍。

2013-12-21 20:48:36 | kaeruの「おくのほそ道」

 「尿前の関」⇒「臍(へそ)」、などということを長谷川さんが言っているわけ

ではないのですが、まずこの文を読んで下さい。

≪まず、『おくのほそ道』 全体が太平洋側と日本海側の二つに分かれて

いる。境は東北山中の尿前の関です。≫

そして、≪このうち太平洋側はみちのくの入口である白河の関までとみち

のくに分かれます。 (略) 一方、日本海側は越後の市振の関までとその先

に分かれます。白河、尿前、市振という昔の関で四つに分かれる。≫

 ① 江戸ー白河の関(太平洋側)  ② 白河ー尿前の関(→内陸)

 ③ 尿前ー市振の関(内陸→)   ④ 市振ー大垣(日本海側)

 昔の関が実際の旅のうえでも節目になっていると同時に「おくのほそ道」

の文学としての構成上、重要な節目になっているという指摘です。

 

 「kaeruのおくのほそ道」旅程では、尿前の関を後にしたところで、太平

洋側から日本海側へ、難所 ・山刀伐峠(なたぎりとうげ)を越えなければ

なりません。多分アプリ上のkaeruが歩いている場所は、その辺ではない

でしょうか。その峠を越えれば尾花沢に入ることができます。

 「おくのほそ道」ではその尾花沢で裕福な紅花商人宅に十泊することに

なります。ここで  まゆはきを俤(おもかげ)にして紅粉(べに)の花  

を詠んでいます。

 「まゆはき=眉掃き」は化粧道具、まゆはきの形を思わせるように紅の

花が咲いている、の句意。下のTV画面は紅花とまゆはき(白)です。

                

 長谷川さんの本に戻ります。

≪ここで詠んだ句を平泉、尿前の関の句に並べると、

  五月雨の降りのこしてや光堂

  蚤虱馬の尿する枕もと

  まゆはきを俤にして紅粉の花

 蚤虱の句があるからこそ五月雨の光堂はほのかに輝き、紅の花はいっそう

華やぐ。≫

 芭蕉の俳句の世界が立体的に浮き上がってくる感じがします。

コメント (2)
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