葉山の四季

葉山の四季をお伝えしたいと思います。

江戸の庶民の声ーー川柳。

2016-12-12 21:22:50 | kaeruの五七五

昨日「川柳の原点」をつぶやきました。そこに紹介されていました『誹風  柳多留』、我が家の本棚にもあったと探してみましたら、ありました。

 

表紙の折り込んだところに、二句載っています。

(一)には、

逃げしなに覚えてゐろは負けた奴

愛想のよいを惚れられたと思ひ

があります。

(二)に、

書置はめつかりやすいとこへ置き

うまさうに何やら煮える雨宿り

仲直り元の女房の声になり

どこへでもくつついて出る馬鹿亭主

続いて(三)です、

あの亭主になる奴はといらぬ世話

すねた子を壁からやつとひつぺがし

いま食へばいいと不気味な刺身なり

無理な意見は魂を入れかへろ

 

続いて『誹風 柳多留拾遺 上』に、

仲人は雨までほめて帰るなり

物思ふ身を立て掛ける箱梯子

五右ヱ門はなまにへな時一首よみ

(箱梯子はこはしごとか五右衛門など検索してみて下さい)

『同 下』

寄り合ふと人の頭の蠅を追ひ

来し方を思ふ涙は耳に入り

 

この他『初代川柳選句集』が上下あります、その上に、

女房の留守耳かきにまで困り

水損の畦を踏み分け女衒来る

(女衒、ぜげん と読みます、意味は調べてみて下さい。)

さあそれが悪いと意見冴え返り

『下』です、

むか腹を立つが正直者のきず

雨やどり惜しい娘に傘が来る

今飯が出来るはけちな馳走なり

 

昨日のWikipediaの「俳諧柳多留」の「代表的な句」を載せておきます。

本降りになって出ていく雨宿り

これ小判たった一晩ゐてくれろ

かみなりをまねて腹がけやっとさせ

寝ていても団扇のうごく親心

役人の子はにぎにぎをよく覚え


21世紀の庶民も江戸庶民を上回る意欲をもって詠み、後世に残していきたいものです。

コメント (2)
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