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他国の戦争には送り出せない 自衛隊父兄会佐賀県副会長
憲法解釈変更を批判
![]() (写真)自衛隊父兄会の地区会長として、「集団的自衛権には反対だ」と語る古里さん=佐賀県唐津市 |
「いまの憲法のもとで、集団的自衛権には反対だ。紛争地に子どもが行く可能性もある」
古里さんは今年4月から6月にかけて、唐津市内の自衛隊父兄会5支部から総会に招かれ、地区会長としてあいさつしました。そのなかで繰り返し訴えたのが、冒頭の言葉です。
会長として、公然と集団的自衛権行使の容認を批判したのです。
「閣議決定」が強行された1日、唐津市内で酒店を営む古里さんを訪ねました。案内された古里さんの実家のガラス戸には、「自衛隊員募集」のポスターが目立つように張られています。
古里さんの息子は現役の海上自衛隊員。自身も元自衛官で、自衛隊との関わりは親子2代にわたります。自衛官募集相談員として勧誘活動もしてきました。
話し始めてすぐ、古里さんは言いました。「集団的自衛権を認める憲法に変えてなら、賛成という立場だ。勘違いしてもらっては困る」。そのうえで、今回の「閣議決定」は国民に分かりにくいと言います。
「憲法というルールを、解釈で百八十度変えるようなことがあってはならない。自分は、間違ったことは言っていない」
「閣議決定」は、これまで自衛隊が行かないとしていた戦闘地域でも支援活動ができるとしました。古里さんは「他国の紛争に迷彩服を着て出て行けば、相手にとっては攻撃対象になる」と心配します。
「息子も、おとなだ。行けといわれたら、最後は息子の判断でしょう。それでもね…。やっぱり本音を言えば、息子をやりたくないですよ」
総会での訴えを聞いた会員の女性も、古里さんに、「私も集団的自衛権には反対です。子どもを戦地に行かせたくない」と打ち明けたといいます。
憲法解釈の変更をすすめてきた自民党からは、「自衛隊が他国民のために血を流すことになるかもしれない」(石破茂幹事長、「朝日」5月17日付)などと、血を流す覚悟を求める主張まで飛び出しています。
災害救助や国を守るというなら、送り出す覚悟はしていた―。古里さんは苦しい胸の内を語ります。
「他国の戦争に、行ってらっしゃいとは言えない。それが親の気持ちです」
自衛隊父兄会 自衛隊員の家族らでつくる自衛隊の協力組織。会員は全国で約9万人。戦後、自衛隊が創設されて間もない時期に九州南部や四国地方などでつくられて以降、全国各地に広まりました。各地の父兄会の連合組織は全国自衛隊父兄会(会長=伊藤康成元防衛事務次官)として公益社団法人の認可を受けています。会員の親睦を深めるほか、「防衛意識の高揚」や「自衛隊に対する協力」を目的に掲げています。
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