「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

Prince of Wales

2007-09-30 15:42:29 | 本/音楽/映画

美貌と庶民性からプリンセス・ダイアナの評判が良すぎて、その敵とも言えるこの方、Prince of Wales、チャールズ皇太子に対する評価がきつい。しかしこの方、なかなかの教養人。私と共通の趣味も多い(・・・って言われても、先方は甚だご迷惑だろうが)。

画像はそのチャールズ皇太子が20年近く前に出した建築文化に関する本、A Vision of Britain。よく書けていると思うとともに、こうしたものを王族のメンバーが書いてしまう英国の伝統を尊敬する。我が鎌倉市にお住まいの英国文学者の出口保夫先生による日本語訳も出ているが、かなりのお値段。原書の方が安い。写真が多いので、英語を読まなくても、皇太子の言いたいことはすぐわかる。

要は、伝統が大事。国の風景は歴史とともにゆっくり変化せねばならない。建築物は周囲との調和が大事。建築の部材やデザインがいきなり地域性や伝統を失うと、風景は品格を失う。歴史的連続性を失うと、建築物はその魂を失う。

同感である。日本の貧素な住宅街を見たら、皇太子はびっくりすることだろう。日本の街や郊外や田舎の景色と比べたら格段に良いと思われる、英国の新しい建築物やその設計者に対して、皇太子は容赦のない皮肉に満ちた批判を浴びせかける。

彼の地に一度住めばわかる。景色(住宅外観、家並み)の歴史的連続性は重要だ。それを失った日本は悲しい。それを復元することは、かかるコストもものすごく、もはやほとんど不可能だ。日本において今も次々建てられている住宅のほとんどは、日本のオリジナルなスタイルではない。

「建築家」と称する設計士の先生の建てる家は、周囲の家並みとの連続性を無視する外観のものが多い。巨大ハウス・メーカーによるものは「国籍および様式が不明の家」(昔、会社の同僚のオーストラリア人がそう言った)が多い。

さて、我々日本人はこれからどのような住宅を建てればよいのだろうか。適当な答えは見当たらない。今のままではいつまで経っても、様々な「○○風」「□□スタイル的」で全体を見渡せば不統一な家々が、延々と続く住宅街しか形成出来ない。
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住宅街の環境(6)

2007-09-30 08:55:45 | 環境・土地

いろいろあって、一ヶ月近く更新が出来なかった。

七里ガ浜のような大規模開発の住宅地では、四角く切られた同じような敷地が整然と並んでいる。こうしたところで敷地分割が起こり始めると、非常に不自然な感じになる。住民も業者も、皆この住宅地の恩恵を被っているわけだから、やはり現行の住民協定を守って土地の売買や建築を行うべきだと、私は思う。

「早く地区計画をつくったらいい」とか「地区計画が出来るまでは、現在の協定を尊重し、それに従わない業者に対しては、自治会としてクレームを申し立てるべきと思うが、自治会はどうお考えか?」などと書いた手紙を自治会宛てに出してみた。4ヶ月近く経ったが、特に返事はない。以前住んでいた住宅街で、私は自治会の役員や班長をしたことがある。こうした手紙を受け取ったら、私はすぐ反応したものだが・・・。きっと私の手紙が馬鹿みたいに長く、あまりに要領も悪かったから、質問のポイントもぼやけてしまったのだろう。その4ヶ月の間にも件の建築業者は、協定破りの分割敷地に協定破りの屋上つき住宅をまたもや完成させてしまった。

画像は、近所の電柱。こんなものもなんとかして欲しい。わが国の景色って、どうしてどこでもこういう調子なんだろうか。
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