Reflections

時のかけらたち

染の小道散歩 -2  協美 ・・・ streets of dyeing art -2

2018-10-29 19:49:34 | wonderland
金田染工場からさらに先にある手描き友禅の工房「協美」にむかいました。







ちょっと道に迷い戻ったりしながら・・




この辺は聖母病院に行ったり、主人の葬儀が行われた場所の近くで、いろいろ記憶が甦ってきました。




昔の芸術家とかいろいろな人たちが住んだこの界隈です。




友禅の協美に着き、階段を降りて作業場に入って行きました。


若い職人さんがものすごく細い糊引きをしていました。体験の方が、一人だけいましたが、もう3時間近く
やっているとのことでした。とても細かい作業です。
糊引きしてある半襟作成中で、お正月に宝尽くしとか・・ 私もやりたくなってしまい
ましたが、翌月もやっているとの案内をいただきました。


















体験用の半襟の糸引きを製作中でした。


そこの女将さんから染の小道の歴史を教わりました。16年くらい前にスタンプラリーを
息子さんたちのグループで考えて続けていたとのこと。東地区にまで広げたのはつい2~3年前の
ことだそうです。







仕事場を写させてもらいました。
下が抜いてある机は下からバーナーをあてて乾かすためとのこと。










楽しそうに体験の染をしていました。すごく時間がかかっているとか。色を相談しながら
お正月用の半襟だそうです。


女将さんが帰り際に私が着ていた、絹のジャケットをほめてくださり、それは呉服店で買った国画会の作家さんの
染で張のあるものでした。

お別れをしてしばらく歩いてそういえば彼女物凄くすてきな装いだったと写真を撮らなかったことを
後悔して、あわてて戻り写真を撮らせていただきました。
写真は苦手なのよと笑っていましたが、承知していただき、その場でパスした写真をブログに
載せる許可をいただきました。










帯どめにも菊の花が・・・




半襟は更紗でもみじがまだ赤くなっていないものとか・・ 微妙な季節感を出していますね。

レトロかわいかったです。


この界隈は娘を病院に連れて行ったり、私がヘルペスになった時に、仕事に行く途中毎日点滴した聖母病院が
あったり、主人の葬儀をした区民センターがあり、忘れられない場所です。久しぶりに歩きました。

















浸染の宇佐美染工所は駅の反対側の神田川沿いにありますが、遠いと言われたのでもう一つの引き染めの
ふじや染工房を目指しました。。
落合という名の通り、神田川と妙正寺川が落ち合うところです。














せせらぎの里の方から廻ったらどうやら道に迷ったみたいでした。
神田川沿いなのでそれは間違っていないのですが、方向が違うようで
ちょうど工事の休憩をしていた人にこちらの方向は高田馬場方面かどうか
だけ聞いたら、親切にスマホで地図を出して、説明してくれました。
私は位置情報をオンしてないし、こういうことがささっとできず地図だけを
頼りに歩いていました。今どきの若い人は親切ですね。もう仕事も終わる時間だけど
時間を取らせてしまいました。








やっぱり反対方向で、急いで戻りましたが、その住所に見当たりません。
近所の方らしい人が歩いていたので、お聞きすると目の前でしたが、
3時で終わって、ひっそりしていました。5時まで出なく3時で終わるところもあったのね。
日曜は行けないのでまた次回に行くことにしました。
ついでに高田馬場までの道を聞くと、ちょうど行くところなので一緒に行きましょうと
誘ってくれました。その人の家の前は友禅の職人さんなのですが、加賀の出身のその人は
全く友禅には興味がないのですが、京都の友人が友禅の糊引きの専門家で、仕事場に行った
ことがあると話してくれました。その通りは全部そういう工房が並んでいるとのこと。
馬場のどの辺あたりに出るのかワクワクしていたら予想とは全く違う方向のいつもの
行きつけスーパーの横に出て、そこでお別れしました。

なんだか小さな旅をしたような不思議な感じ。
その方の説明だと、途中横道に入ると出られなくなるところがあるとか、
お子さんが何時間もかかって戻ってきたことがあったというお話でした。
この辺は空襲にあわなかったので、昔のままだそうです。江戸の名残で
そのように作られていたのかしら・・・?
それで親切に一緒に歩いてくれたのかしら・・

ウォーキングの午後で、歴史をたどり、今でも若い人たちが伝統を引き継いで
区もバックアップして応援している感じがわかり、楽しい一日でした。
地元が江戸からの伝統を引き継ぎ、がんばっているのは嬉しいです。

行けなかったところはまだ次回にとまた楽しみが残りました。

そして新たな散歩道もでみつけました。川沿いは哲学の道ではないけれど
散策にはいいですね。

Oct.27  2018   Ochiai
コメント (3)
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染の小道散歩 -1  二葉苑 ~ 金田染工場 ・・・ streets of dyeing art -1

2018-10-29 19:25:18 | wonderland
10月27日

ほんとうは金曜日にオペラの前に二葉苑だけは行ってみたかったけれど
着付けにてこずって時間がぎりぎりになって行けませんでした。
せっかくむじな菊を着たのに。





それで今日は歩き回ることもあり、洋服で染の小道に行きました。
二葉苑では教室の作品展があり、先生や職人さんたちは作業中でガラス張りの外から
挨拶しただけですが、型絵、挿絵、江戸更紗と違う手法がどうできるのか
ゆっくりと見ました。出来上がったものを見るとやっぱり色を刷り込む
江戸更紗た好きなのかなと思いました。他のものの方が自由度が高いけれど。

作品展より
手挿し


















更紗













型絵









上の段が更紗の初級、下の段が型絵の初級





型絵は1枚の型紙で紗張りして糊置きして、残ったところに色を挿していきます。
手挿しは糸引きして色を乗せていくので絵をかいている感じですね。
更紗は色の数だけ版を作らなけれななりません。抜いたところに色を刷り込みます。

私はやはり更紗が一番好きかと思いました。帯用は手挿しで素敵なものが
できていました。



二葉苑ではバングラデシュの人とか外国人一行のツアーも来ていました。
和服を着たガイドの男の人が英語で説明していました。他に立ち寄ったところでも
外国の方がいて、最近のこういう文化に興味を持ってくれる観光客や滞在者が
目立ってくる流れがいいですね。
バングラの方はガンジーの何かの記念でインドの模様が日本にどう伝わって行ったかの
知る旅行を企画しているとのことで相談に来たみたいです。








江戸小紋の5代目の方がどこか粋な説明をしてくれてとても面白かったです。
ちょっと噺家みたいでした。染の小道を回っていた熟年グループが一緒に説明を聞きました。
二葉苑とのコラボ作品もあり、江戸小紋に江戸更紗で白抜きしてある染でした。





他に今回は浸染と友禅を見に行こうかと思い、下落合方向に地図を片手に歩きました。
金田染工場は本社工場を埼玉県に移転したとのことで、作品だけありました。
江戸小紋だけでなく東京染小紋と言う新しいものもありました。
小売りはしないとのことでした。小物は分けていただけるようでした。
川の整備で工場に必要な長さが取れなくなったと女将さんの話を聞きました。
















これが東京染小紋。私は伝統的な柄の方が好きです。



Oct.27 2018 Nakai & Ochiai
コメント (2)
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