思いがけず素晴らしい舞台を見ることができました。きっかけは駅に貼ってあったポスターです。ヘアカットに行ったとき、地下鉄の駅に
貼ってあったひきつけるポスター。ちょうどその日にとしちゃんがブログにアップしていて、香子さんのブログでeplusの得チケを知り、
深夜ネットでチケットを取りました。この日は2階も何とか人が入っていました。右側が取れていたので花道が長く見れて良かったです。
入門のため、解説もありこんないい企画に空席があるなんてもったいないと思いました。
事前の解説では江戸時代の作品なので徳川と豊臣を鎌倉時代に置き換えて作られた作品で人間関係も丁寧な説明がありました。説明の最後に
菊之助さんが恕という言葉の説明をして、この歌舞伎で伝えたいことがよくわかりました。私はこの恕という言葉の意味を知らなかったので
とても感動しました。
■ 令和4年3月歌舞伎公演「近江源氏先陣館ー盛綱陣屋ー」 2022年3月3日(木)~27日(日) 東京都 国立劇場 大劇場
歌舞伎名作入門「入門“盛綱陣屋”をたのしむ」 案内:中村萬太郎
「近江源氏先陣館ー盛綱陣屋ー」 作:近松半二
佐々木盛綱:尾上菊之助
高綱妻篝火:中村梅枝
信楽太郎:中村萬太郎
伊吹藤太:中村種之助
盛綱妻早瀬:中村莟玉
高綱一子小四郎:尾上丑之助
盛綱一子小三郎:小川大晴
古郡新左衛門:嵐橘三郎
盛綱母微妙:上村吉弥
北條時政:片岡亀蔵
和田兵衛秀盛:中村又五郎 ほか
近江源氏先陣館ー盛綱陣屋ー」では、菊之助が、初代中村吉右衛門から二代目吉右衛門へ継承された佐々木盛綱に初役で挑み、菊之助の長男
丑之助が高綱一子小四郎を勤める。また梅枝は、中村時蔵家に代々受け継がれる高綱妻篝火に初役で挑み、梅枝の長男である大晴は盛綱一子
小三郎に扮する。 菊之助は「『近江源氏先陣館ー盛綱陣屋ー』は、人と人とのつながりが強く描かれている作品です」と評し、「歌舞伎の
時代物の中には、大切なハイセンスなものが隠れています。盛綱という人物を考えると、北條への忠義を立てれば弟の義を殺してしまい、
弟の義を立てれば北條への忠義を殺してしまう、という中で首実検に挑み、その中で彼は人間の一番大切にしなくてはいけない“恕(じょ)”、
人のことを深く思いやるということを悟ります。首実検にはじっくりと時間をかけますが、その理由はこの“恕”という言葉から読み取ることが
できます。きっとお客様にも、人と人とのつながりを深く考えていただくきっかけになるのではないでしょうか」と語る。 また菊之助は役への
取り組みとして「岳父(中村吉右衛門)の台本が何冊か残っていて、その中には事細かに役について書き残してくださったものがあります。
それとは別にこの役で大事なことを岳父がまとめてくださっている書物もございます。それらをひも解きながら、岳父や初代吉右衛門の映像を
参考に、そして岳父との共演も多かった、中村歌六のお兄さんや中村又五郎のお兄さん、中村吉之丞さんに助言をいただきながら作っていきたい
と思っています」と思いを語った。 梅枝は「兄弟の絆、親子の絆、夫婦の絆というものを非常に強く感じることのできる作品です。あの時代に、
人の命よりも大事な、優先順位の高いものがあった中で、その優先順位を捨ててまで、盛綱は人情をもって、家族というものを優先します。ただ、
それを1つのホームドラマにしてしまうとこの作品は面白くなってしまいます。非常に大きな時代背景があって、それに巻き込まれてしまった
1つの家族にスポットが当たるように、私もそれを肝に命じながら、作品としての大きさを出していきたいと思っております」と意欲を見せた。
丑之助と大晴もそれぞれ意気込みを述べ、丑之助は「大変ですが立派なお役ですので、また演じられてうれしいです。義太夫に合わせたり、
最後に倒れたりするところが難しかったので、今度はもっとじょうずにやりたいです」、大晴は「鎧は重いですが、カッコよくなれることが
楽しみです」とコメントした。
ナタリーより
徳川方と豊臣方が戦った「大坂夏の陣」の舞台を鎌倉時代に置き換えて脚色を加えた「近江源氏先陣館(おうみげんじせんじんやかた)
―盛綱陣屋―」が、東京・国立劇場で3月3~27日に上演される。尾上菊之助さんが主人公の佐々木盛綱に初挑戦する。
源平の合戦後、北條時政の鎌倉方と源頼家の京方が戦いを続けていた。時政側の武将、盛綱の陣屋に京方の軍師である弟、佐々木高綱が
討ち死にしたと知らせが入る。時政に首実検を命じられた盛綱が首桶(くびおけ)を開けると、捕虜にされていた高綱の子、小四郎が「父上」
と叫んで切腹する。盛綱は偽首と気づくが、わが子を犠牲にした高綱の計略を全うさせるために弟の首だと時政に告げる。
盛綱は真田信之(信幸)、高綱は信繁(幸村)という敵味方に分かれた真田家の兄弟を、時政は徳川家康を想定している。
「人と人のつながりが非常に強く描かれ、その中で忠と義に挟まれた盛綱に魅力を感じます」と菊之助さん。
毎日新聞ネットニュースより
歌舞伎公演ニュースにインタビューが出ています。
菊之助も声がとてもよくて、よく通り素晴らしかったです。吉右衛門で見たかったとつくづく思いました。菊之助が義理の父親の
芸を継いでいくのですね。
こんなに泣いた歌舞伎はありませんでした。花粉症もあるのですが、もうグズグズでした。祖母との小四郎のシーン、最後の盛綱と
小四郎のシーンです。
思い出したのはギリシア映画のイフゲニア。娘をいけにえにするというギリシア悲劇。形は違うけれど家族と民主主義と自由のために
戦っているウクライナの人たち。
それにしても丑之助君はあんなに長いセリフをよく通る声でしゃべり、もうプロなので感心しました。日本の伝統芸能が引き継がれて
行くのですね。吉右衛門さんの血をひいていていい役者さんになるのでしょう。
今日は梅のような柄の帯が締めたくて黒白の縦縞のきものか無地っぽい茶系に
しようか迷いましたが定番になりました。帯締めと帯揚げは前回のをそのまま。
帯、着物とも越後染織工房のものです。
ネットで申し込んだチケットを引き取るため、少し早く着きましたので、チケットを引き取った後
周りの桜など少し見ました。
開場時間前でしたが、中に入ることができたので、近くの散歩はやめて劇場に入りました。
まだ客席には入れませんが、ロビーや無料の休憩室には入れました。
12時開演のためお昼を食べる時間がありません。中でサンドイッチとか売っているので買って
休憩室で食べました。
2階には日本画の日本を代表する画家たちの作品がかけてあり、小さな美術館です。ここは撮影禁止でした。
さすが国立。私は高校生の頃歌舞伎教室で来たことがあるだけで、文楽で来る小劇場と落語で来た演芸場しか
最近の国立劇場は知らなかったので、ちょっとした驚きでした。
最初の「入門 “盛綱陣屋”をたのしむ」を案内してくれた中村萬太郎の説明がとても分かりやすかったのですが、
15分くらいでその後25分の休憩が入りました。そこで昼食を取るような時間配分になっていました。
私は今度は3階を見学。ここでは役者さんたちを描いた絵が飾ってありました。こちらは撮影OKでした。
十一世市川團十郎 かっこいい
帯の後ろもお願いして撮っていただきましたが、すごく曲がっていました。
盛綱陣屋のドラマチックな展開にマスクの下も目もグズグズになって、外に出て小さな花たちを
みつけました。
何スミレかな?
ボケの園芸品種でカンサラサ
これはちょっとクールダウンが必要とグランドアーク半蔵門にでも行こうかと歩き始めましたが
その向かいにあったお店に入りました。
国立劇場の帰りだと知ると最中のお土産が付きました。
帰りに買い物を家の近くでしたのですが、いつも通らない道を通ったらきれいな桜が咲いていました。
近くに点字図書館がありますが、そこの記念樹で桜の品種 春めき と書いてありました。
ゆったりと流れた一日でした。相変わらず坂道とか苦しくなるので、ゆっくり休みながら歩きました。
和服が着れるのはありがたいです。
March 17 2022 Hanzoumon