碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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週刊新潮で、“女優・篠田麻里子”についてコメント

2015年03月22日 | メディアでのコメント・論評



「篠田麻里子」女優枠に参戦だから
「大島優子」「前田敦子」の期末査定

傀儡子(くぐつし)に操られた少女たちも、いつか大人の女性へと成長する。AKB48を卒業した前田敦子(23)と大島優子(26)の2人が、芸能界での生き残りに選んだのは女優業だった。そこに“マリコ様”こと篠田麻里子(29)が参戦するが、三つ巴の戦いは誰が勝者の美酒に酔い、誰が敗者の苦汁を嘗めるのか。

3人のうち一番早く女優へ転身したのは、前田だった。ドラマ制作会社の幹部によれば、すでに実績を残しているという。

「AKB卒業後の3年間で、前田が出演したのは映画7本、ドラマ8本。当初は興行成績も視聴率も数字を残せず、演技力も学芸会並みでした。それが最近はメキメキ力をつけているのです。今年1月公開の『さよなら歌舞伎町』では、主役の彼女が恋人に言った“ねぇ、しよう”というセリフに衝撃を受けたし、売れないミュージシャンが葛藤する心情も上手く演じ切れていたと思います」

学芸会並みの演技を卒業する背景には、日々の努力があったという。テレビ局社員がこう明かす。

「彼女は演技の勉強のために、オフの日には一日中映画のDVDを観ています。また、評論家から“滑舌が悪くて、セリフが聞き取りづらい”と指摘されると、ボイストレーナーの元に通って発声を改善している。もともと努力家ですから、地道に努力を積み重ねていけば演技派女優として評価される日が来るかもしれません」

一方、AKB時代、前田とセンターを争った大島の評価もうなぎ上りだ。芸能事務所社長が言うには、

「大島さんは芸能界デビューが8歳で、これまで映画15本、ドラマ41本に出演している“中堅女優”。昨年11月公開の『紙の月』では、主役の宮沢りえさんを破滅の道に誘う同僚役の演技が認められて、日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞しました。SMAPの木村拓哉さんなどの大物に好かれているから、今後も大作に出演する機会が巡ってくるはずです」

■セリフは棒読み

来年1月公開予定の園子温監督『秘密の姉妹~シスターズ~』で、前田と大島は銀幕で共演するが、それに先駆けて、同じく園子温監督の映画『リアル鬼ごっこ』が今年7月に公開される。そこで篠田は3人いる主役の1人を演じるというのだが、

「映画初出演の彼女が、主役なんて信じられません」

と、驚きを隠さないのは、ドラマ制作会社幹部だ。

「篠田さんはAKBを卒業した後の昨年夏、天童荒太さん原作のドラマ『家族狩り』に脇役で出演していましたが、酷い演技でした。セリフは棒読みだし、立ち居振る舞いも素人丸出しだった。キャスティングミスだと思います」

さらに、上智大学の碓井広義教授もこう指摘する。

「映画はドラマより演技力が求められるのに、彼女が主役というのは不安要素が大きい。制作サイドは、客寄せパンダの役割を期待しているのでしょうが……」


期待を込めても、期末査定は篠田が最下位。これではセンターに立つどころか、生き残りも危うい?

(週刊新潮 2015.03.19号)