河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

牡蠣礼賛

2007-02-12 21:29:58 | 読書(その他)
畠山重篤、文春新書。
三陸の養殖牡蠣業者が、来し方を語る。
明治以降の牡蠣養殖の歴史や、古今東西の牡蠣料理等々。
還暦過ぎたおいちゃんの話だから、多少の自画自賛はあるかも
と思って読み進めていたけど、自分よりも過去の偉人たちを大事にするし、
まあこんなものか、なんて思ってみたり。
書いてある内容は、へー、そうなんだー。って感じで
知らないことばかり。
一人称がおいちゃんなんで、彼の人生やら家族やら、先輩やら
いろんなものがくっついてきて、多少重たい。
知っていることを書いているので、
北海道育ち?の三重県民としては、厚岸も的矢もねえんかやと思った。
(三重の話は、佐藤養殖場の浄化の話と御木本幸吉の特許の話がちらっと)
でもまあ、おもしろかったですよう。
これ読んで、牡蠣スープ作りました。
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ぼくと1ルピーの神様

2007-02-12 21:21:16 | 読書(小説)
ヴィカス・スワラップ。ランダムハウス講談社。
インド文学。
外交官が、ひまつぶし?に書いた処女作だそうだ。
いろんな意味でよくできた小説。
クイズに全問正解したら10億ルピー。
「ぼく」ことラム・ムハンマド・トーマス(18歳、ウェイター)が
全問正解してしまい、金を払えない主催者が難癖つけたため
逮捕されてしまった・・・。
ラムを助けた弁護士に、語る。
全問正解できたのは、ラッキーだったから。
たまたま答えられるものばかりだったから・・・
原題は、Q&A、という。
質問に対し、答えが用意されている。
クリスマスに捨てられ、ティモシー神父に引き取られた後死なれ、
子どもを売り物にするママン一味に引き取られ、逃げだし、
女優の元で働いたり、転々とした後、娼婦のニータと知り合い・・・
彼の人生、すなわちインドの現実が、さらりと描かれている。
人生経験ともう一つ、ラムが持つ、幸運のコインも重要なアイテム。
たぶん、邦題の1ルピーの神様とは、このコインのことだろう。

少年シャンカールは、狂犬病で死んだ。結構描写はリアルだ。
治療法はないはずだけど。
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