河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

名もなき毒

2007-09-08 22:45:46 | 読書(小説)
宮部みゆき、幻冬舎。
こわいよー。
この人の現代物は、ほんとに怖い。
テーマは、「毒」。
シックハウス症候群や土壌汚染、そして、人の心に溜まる毒。
その毒には、名前なんてない。
読み始めて、「誰か・・・」の杉村さんの話だと分かった。
自分と全然違う主人公をリアルに作ると、
続編とか作りやすいのかなあ。
この本の世界に、夫婦と娘、それぞれの父母と兄弟がいて、
職場の同僚などなどいろんな人が作り出されている。
妙なところに感心。
で、この本は、「誰か・・・」ほど後味は悪くないけど、
自分は悪くないはずなのに、勝手にねたまれる、幸せな家庭。
というあたりに、いやなものを感じる。
でも、ラストで主人公の妻が、あの家には住みたくない、という。
それが許される、身分。
毒を、生み出させることになるものが、妻の中にある。
表紙の、黒い背景に浮かぶ家族3人の明るい窓、暗い瓶。
なんともなあ・・・
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終焉の詩

2007-09-08 14:18:55 | 読書(小説)
高里椎奈、講談社。
フェンネル大陸 偽王伝、シリーズ最終巻。
で、フェンネル大陸って名前出てきたっけ?
ラストシーンで、テオとフェンがまたどっかいってしまったので、
王になるのかと思いきや、「フェンが偽王になったときのおはなし」ってところで幕。
所詮子どもだから、人の心をつかんでも、今だけ、ということ分かってやってるのか。
いろんな死んだはずの人が生きていて、ちょっとがっくり。
アシュレイにもあっさり帰れるところがあって、拍子抜け。
いいけど。ハッピーエンドだし。でも。
まだ続くらしい。第2章とか。
「偽王伝」は、「王とはなんぞや」ってあたりがテーマといっていいか。
リノみたく、自分の真の王は、民だというのは良かったな。
自分のことで手一杯になるとなかなかそんなこといってられない。
そこをなんとか、いつもそういう冷静な目を持っていたいもんです。
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