河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

DVD「アルゼンチンババア」

2008-05-17 21:46:29 | 映画
よしもとばななの原作。
ババア、美しすぎ。50代の設定なん?無理!
街の外れの古いビルに住んでいるアルゼンチンババア。
ミツコと父と母の3人家族は、母の死で崩壊する。
石屋の父が行方不明になり、見つかったと思ったら、
アルゼンチンババアのところに住み込んで、
汚らしくなって、ババアに惚れ込んじゃっていて・・・
むちゃくちゃな話のようでいて、父と娘の母への愛だとか、
汚くてもババアいい人じゃん、とか、いろいろ描かれている。
母の死に耐えきれなくなった父と、
汚くなって死んでいく母に、早く死ねばいいのにと思ってしまった娘が、
アルゼンチンババアと出会って、自分を取り戻す。
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沙門空海唐の国にて鬼と宴す<巻の一>

2008-05-15 23:51:56 | 読書(小説)
夢枕獏、徳間書店。
全4巻の内1巻。
空海は好きだ。平安時代にあって、かなり個性的。類がない。
その空海を主人公に、橘逸勢を友として、唐の都、長安で起こる
化け物騒動を、きっとこれから解決するんだろう、というところで続く。
「陰陽師」もそうだけど、二人の男の会話や、ぽんぽん流れるような文章も小気味よい。
ってことで、先を楽しみに読みます。これから。
田中芳樹の岳飛伝も1巻だけ読んだけど、翻訳そのままっぽくて、取っつきにくいけど
こちらは、分厚いけど、けっこう軽く読める。
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東京奇譚集

2008-05-12 22:12:40 | 読書(小説)
村上春樹、新潮社。
「偶然の旅人」「ハナレイ・ベイ」
「どこであれそれが見つかりそうな場所で」
「日々移動する腎臓の形をした石」「品川猿」の5編。
最初の1~3話は、ちょっと不思議な話、という感じで、
事実をちょいと脚色したかのような味わい。
あまり村上春樹らしくないな、と思っていたら、
「ハナレイ・ベイ」の、お母さんの海外順応性とかは、らしい感じ。
「どこであれ・・」は、ちょっと探偵ものっぽかったけど。
「腎臓の形をした石」となると、かなり、らしい。
そして最後の「品川猿」は、これぞ村上春樹。
ねじまき鳥風味のけったいな動物が、ふつうに生きてる。
あり得ないカウンセラーが、それらしくいるんだから。羊みたい。
というわけで、少し不思議話が読みたかったんだけど、
やっぱり村上春樹でした、というところです。
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モンゴ~ニューヨークのゴミをめぐる冒険

2008-05-10 22:56:38 | 読書(その他)
テッド・ボサ、筑摩書房。
前に、「そしてウンコは空の彼方に」なんて本を読んだけど、
これは、廃棄物となるまえに、捨てられたものを拾う人たちの記録。
南アフリカなどで暮らした経験を持つ著者は、ゴミから生活雑貨をそろえてみた。
よく見ると、ほかにもたくさんのゴミを集める人がいることに気づき、
インタビューを始めた。
モンゴMONGOというのは、捨てられている、まだ使えるもの、という意味。
何でも集める、本や石だけ集める、食料をまかなう、
集めたものは売る、再利用する、全部取っておく、
いろいろな人がいる。
「プライバシー・コレクター」の章が一番怖い。
コレクターという「中毒」にもふれられていて、
ネコを集めるおばさんも出てくる。中毒かー、なるほど。
自分も、ゴミとして捨てるようとして、売れるかも、とか、再利用できるかも、とか
考えるから、なかなか捨てられない。
ものを集めるということについて、考えされられる一冊だった。
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サマータイム・九月の雨

2008-05-06 21:26:04 | 読書(小説)
佐藤多佳子、偕成社。
「四季のピアニストたち」と題された上下巻。
「サマータイム」「五月の道しるべ」「九月の雨」「ホワイト・ピアノ」
計4編。
小5の時に進が出会った片腕のない男の子、広一くん。
お母さんはジャズ・ピアニストで、
彼自身も、父親と片腕を事故で失うまではピアニストを夢見ていた。
進の姉、佳奈が加わり、ジャズの名曲、サマータイムのデュエットが響く。
佳奈と進の姉弟と広一の3人の目線で語られる、4つの物語。
「九月の雨」のあらすじで、ちょっとちょっと、そういうラブストーリーに
なっちゃうわけ?と心配したけど、裏切られてよかった。
「五月・・」のツツジの鮮やかさや、「ホワイト・・」のピアノのイメージが美しい。
進のまっすぐさや、佳奈のあまのじゃく、広一くんのひねた大人っぽさ、
少年少女の、(そのときだけなんだけど)一生懸命な生き方が、
情景と共に描かれていて、わざとらしくなくて、面白いと思う。
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