河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

大江戸あにまる

2023-08-01 22:41:40 | 読書(小説)
山本幸久、集英社文庫。
なんとなく、集英社文庫が続いている。
動物ものをなんか続けて買っちゃったことがあって、
積んでおいたものをせっせと通勤読書で読破している。
これは、結構面白かった。
石樽藩の江戸留守居役、木暮幸之進は、
ちょっと抜けたところのあるお侍。
国にいる殿さまが子供の頃の御伽役だったが、
今は、何やら申請が上がってきたら過去に同じような
申請がないか探し出す仕事をやっている。
武芸はからっきしで木に登れば落ちるし、
好きなのはメンコの絵を描くこと、貸本を読むこと。
彼が、相棒?の博物学大好き侍、乾福助と出歩くと
なぜか動物に当たるように。。。
ラクダ、羊、豚、ワニ、オオカミ、はてはオランウータン。
彼らと動物の集まるところに、藩主の奥方小桜や
勝麟太郎だの著名人の若かりし日も集まる。
男勝りで剣術の腕も確かな彼女は、
動物を人の都合で殺すな、
と江戸の下屋敷は動物で溢れることに。
押し付けがましくない、ラブアンドピース、
動物の命、上様と農民、男女の差など、
さらりと描いているところもいい感じ。
抜けまくってるけど、動物に関わる度に、
命懸けの目に遭うけど死なない幸之進を始め、
いろんなキャラが出てくるけど、それぞれに
ちゃんと出番があって最終章でまとまる。
出てきそうで出てこない殿さま智親が
出てくる最終章、という構成は面白かったな。
コメント
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