遊びをせんとや

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今年のゲルニカ

2022-02-09 06:38:41 | 美術教育
今年度はゲルニカの鑑賞はコロナ禍で夏休み明けにできずに
年明けになった。

水墨画の前にこの鑑賞を持ってきたのは返って良かったかも。

いつもならここで鳥獣人物戯画の鑑賞を持ってくるが、
ゲルニカである。

1時間でコンパクトにまとめた。
私の鑑賞授業の外せないポイントは「必ず全員発言する。」ということである。
どんな一見クールに見せてる生徒でも「自分の意見を言いたい。」と思ってると確信することです。

言いたいに決まってます。
それを挙手で特定の都合のいい意見だけを拾い上げるのは反対です。

順番に指名していく間に対話型を挟み込みます。
「これが別の物に見えた人は?」と投げかけます。
鑑賞には正解はない。
全ての情報を入れないでできるだけ大きなカラーコピーだけを渡す。

多目的室という教室の2倍の広さで椅子だけで実施する。
持ち物は筆記用具とワークシートを書くため下敷きにする教科書一冊。

リラックスして真面目に取り組むならどのような姿勢でもいいと告げる。
椅子の位置はソーシャルディスタンス。
椅子を机にして床に座りこんで書く生徒もいる。

40人近くの生徒が発言する中でみるみる鑑賞が深まっていくことが実感できます。

ピカソが描いた事は明かしてあります。

そして、書き上げられたワークシートは毎年私の宝物です。

「動物が人間に氾濫を起こした」という解釈でもいいし。
必ず「戦争」「災害」という言葉も出てきます。

そして毎年驚くのは
「人間は絶望の中でも光を求めて歩き出す。」「一本の花が希望の象徴」
「中央の明かりは希望」
という意見が出てくることです・

このコロナ禍で中学生はこの絵からいつも「一筋の希望」を見出しているのです。

凄いです。「ゲルニカ」
少し前に観た日曜美術館で当時はなんでそんな政治的な絵を描くのか批難されたピカソ。
最後までスペイン国籍を捨てなかったピカソの矜持が時間が経ってよくわかるような気がします。

そして今年は次の時間にサラッとパワーポイントでピカソの作品とゲルニカ爆撃に触れ、まとめの感想は書かせませんでした。
あいつぐ休校で時間が無かったのと次の絵巻物にすぐに取り掛かりたかったからです。
絵巻物セット買っていたので横84㎝、縦35㎝の和紙はちょうどゲルニカの比率。
狙ったわけではないのですがいい導入になったかなと思わぬ偶然に少し驚くのです。
いつもの私です。

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