遊びをせんとや

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18世紀京都画壇 辻惟雄

2023-02-26 07:48:48 | ブックリスト
遡れば 
神戸博物館で「よみがえる川崎美術館展」に行って、応挙の襖絵を観た時から応挙の凄さをこの年齢になって肌身に沁みて少しは解るようになった。
この時の記事

応挙の清冽な魂 ~神戸市立博物館 よみがえる川崎美術館展~ - 遊びをせんとや

前売りペアチケットをネットで買って楽しみにしていた神戸市立博物館の川崎美術館展。ペアチケットは2人で2500円なので当日券より700円お得。どうせならお天気のい...

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応挙作品は今までにも観ているはずだ。でも若い頃はどの襖絵も同じように観えたのだ。
最近、身体に沁み込むように良さを感じる。

大乗寺に行って応挙一門のオール応挙プロデュースの襖絵を観た時にも蘆雪の凄さが身に染みた。

その時の記事

旅はいい!香住 その① ~大乗寺応挙、蘆雪~ - 遊びをせんとや

フル勤務の時は1月は激務の時期だった。旦那も私も一番忙しい時だった。今年は「冬に蟹を食べに行こう」となって旦那の提案で香住の大乗寺の円山応挙の襖絵の本物を3月ま...

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そして読んだのはこの本「ごんたくれ」
その時の記事は

ごんたくれ 西條奈加 ~京の日本画壇、応挙から蘆雪、呉春、蕭白~ - 遊びをせんとや

香住の大乗寺に行って長沢蘆雪の猿の絵にいたく感心したので蘆雪をモデルにした小説を読んでみたいと思った。ネットで調べてみると蘆雪自身が波乱万丈の人生で完全にADHD気...

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この本で18世紀後半の日本画の世界に降れ、本当の意味での日本画が完成されたような気がした。
題材は中国の風景や聖人、故事を扱っているにも関わらずだ。

系統立てて、知りたいと思ったので辻惟雄さんのこの本を図書館で借りた。
「18世紀京都画壇」



この本が出版されたの2019年。辻さん88歳。
彼が「若冲、蕭白、蘆雪」の凄さを改めて世に知らしめてくれた。
日本画の成り立ちには中国画の影響を抜きには語れないので中国の水墨画がいかに日本の絵画に影響を与えたかを述べてあるが、そこんところは実際の絵が思い浮かばないので読んでいてしんどい部分もあったが、全体の流れがおぼろげながらつかめた気がする。

この本の中に「応挙はプロ、若冲はアマ」という文章が出てくる。
以前講演会を聞きに行った山口晃さんと山下裕二さんの対談でも触れられていた。
その時のことはブログには書いてないが、ネット検索すると2016年3月に京都教育文化センターだった。
山口さんが「若冲はプロだと思ってないので。」とおっしゃってた。ちなみに山下裕二さんは辻さんの教え子。

こういう美術作品の良さは自分のタイミングしかピンとこないんだろうなとは思うがチャンスがある限り本物を観に足を運ぶのは大切なことだ。

奇しくも今秋、中之島美術館で「生誕270年 長沢芦雪」が開催される。
紀州串本に赴かないでもあの虎に会えるのは楽しみだ。

ネットから画像はお借りしました。


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