佐伯泰英の『密命』シリーズにはまってから,
図書館の文庫本コーナーでバックナンバーをあさりますが,
年配の愛読者が多いせいか,
文庫本の佐伯泰英のコーナーのところがポッカリ空いています。
他のシリーズも評判がいいようです。
『密命』が出版されて年数がたっています。
町の本屋にはありません。
市内に古本屋が三軒ほどありましたがいつの間にか無くなっていました。
古本を扱う「ブック・オフ」がすこし離れて「グッドリー」という
本屋が外環状線沿いに出来ました。
「ブック・オフ」の時代小説コーナーに
佐伯泰英の『密命』シリーズが並んでいました。
剣豪親子の武器は
寒月霞斬り(かんげつ かすみぎり)
金杉惣三郎の秘剣。番匠川に腰まで浸かり、
水面に映った月を斬ることで編み出された。
切り上げの“一の太刀”、切り上げた位置から切り下ろす“二の太刀”から成り、
三の太刀となる“残月”に続く。逆袈裟と袈裟掛けの連続切り。
霜夜炎返し(そうや ほむらがえし)
金杉清之助の秘剣。蝋燭の炎を水平に両断する修行から編み出された。
炎を帯びた(様に見える)高速の水平切りから、
急角度で垂直に刀を跳ね上げて相手の視界から刀を消す。
立てた刀は厳冬の夜に一本の針が落ちるように静かに切り下ろされる。
切り下ろされる瞬間には再び刀身が炎を帯びたように見える。
水平から真っ向の十字切り。
… … …
金杉惣三郎の所持する名刀は
高田酔心子兵庫(たかだすいしんしひょうご)
金杉惣三郎の愛刀。豊前の刀鍛冶が鍛えた二尺六寸三分の豪刀。
“かます切っ先”が特徴。相良藩主・斎木高玖からの拝領刀。
五畿内山城来国光(ごきないいやましろらいくにみつ)
惣三郎のもうひとつの愛刀。八代将軍吉宗からの拝領刀。
高田酔心子兵庫よりやや短く軽いため、後年はこれを持つことも多い。
シリーズ途中で 「密命」読本が出版されます。
佐伯泰英のコラム,エッセーや、作品の解説などが内容です。
… … …
内田康夫の浅見光彦シリーズ」や
平岩弓枝の「御宿かわせみシリーズ」でも読本が出版されていました。
佐伯泰英も出版の祥伝社もこのシリーズが軌道に乗ったと判断したのでしょう。
バックナンバーを読み終えて,最新刊を読むようになりました。
初心 密命・闇参籠(2007年)
遺髪 密命・加賀の変(2007年)
意地 密命・具足武者の怪(2008年)
宣告 密命・雪中行(2008年)
相剋 密命・陸奥巴波(2009年)
途中から文章のフォントが大きくなりました。
年寄りの愛読者のために変えたのでしょう。
はじめのころの『密命』シリーズを大きなフォントで組み替えて,
新装出版で本屋で佐伯泰英フェアとかで平積みになっています。
このシリーズは,書き下ろし文庫本です。
それが良かったのかもしれません。