18%のグレーカードが発売されて,
入射光式露出計(ノーウッド・ディレクター)も
反射光式露出計(ウェストン・マスターⅡ)でも反射率18%を
基準に撮影することが常識になりました。
被写体を露出計で計って露出を決めるのも常識になってきました。
映画のセットで,助手さんが露出計を勉強しようと、
照明の施されたセットのあちこちを計る風景も見られました。
コダックのグレーカードの説明には,照明を施した後,
手に持ったカードに反射光式露出計で露出を決める…。
カタログ用の物撮り(ぶつどり)でもカードで露出を決めるように説明しています。
しかし、プロのお金のかかった撮影以外,アマチュアには大げさでした。
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キャノン,ニコンなど、プロをターゲットにした高級一眼レフに、
内臓露出計(反射光式露出計)を搭載し始めました。
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露出をカメラ(露出計)が決めるとは,プロはあくまで自分の経験と
勘で決めると頑なにいっていましたし、それがプロの根性でした。
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カメラ雑誌のプロ作家による口絵のデータに,露出はオート,
露出計の指示に+1,-1、などと露出計のデータを添えた作品が
発表されだしました…。
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カメラ雑誌は,アマチュアにとって、先生ですから,
プロが露出計を使うのならと、ボチボチ、ハイ・アマチュアも
露出計を使うようになりました。
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いつの間にか露出計内蔵の一眼レフのTTL(スルー・ザ・レンズ)の
露出が普通になりました。
撮影に使うレンズを通して,露出を決める方式をTTLといいます。
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光が当たると起電力が発生するセレン光電池から,
光が当たると流れる電流が変わる素子,
高感度のCdS(硫化カドミウム)が出てきました。
それまでの露出計の泣き所だった,暗電流(あんでんりゅう)も改善されて,
露出の最も知りたい暗い場所も計れるようになりました。
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ローソクの光(の照明でも)で写せると「ヤシカ・エレクトロ35」は
ベストセラー機でした。