高校で写真クラブを作る話を父親に話しました。
父親と交渉の結果,
カメラを買ってくれることになりました。
父親の知り合いの京都市河原町三条のムツミ本店の社長が
新しい箱をもってやってきました。
「オリンパス35 Ⅳ型」でした。
… … …
ここからが、私の写真活動の始まりでした。大げさですが…。
上の写真は,参考のために載せましたが「オリンパス35 Ⅰ型」です。
この機械のレンズ・シャッターはセイコウシャラピッド(コンパータイプ)で、
自動巻止め、セルフコッキングでした。
フィルムを巻き上げると,レンズ・シャッターが自動セットされる機構です。
レンズはズイコー35㍉、F3.5です。
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私に買ってくれた「オリンパス35 Ⅳ型」はレンズ・シャッターの
セルフ・コッキングを外して,シャッターもいくらか廉価な
コパル(プロンタータイプ)でした。
フィルムを巻き上げて、止まったところでシャッターをセットします。
シャッターを切ると、ノブのストップパーが開放されて、
フィルムを巻き上げられます。二重露出防止にはなっていました。
レンズは「オリンパス35 Ⅰ型」と同じズイコー
(3群4枚のテッサータイプ…?)です。
ファインダー横のアクセサリーシューには、フラッシュガンが付きます。
一度「ピカッ」と発光(燃焼)するだけの電球型のフラッシュバルブをつけて、
ピカッと光ればそのフラッシュバルブは終わりです。次の撮影のために
新しいバルブに取り換えます。
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当時の新聞社のカメラマンは,このフラッシュバルブを
一杯入れたギャジッド・バッグを肩から提げていました。
カメラバッグの最初はフラッシュバルブの入れ物でした。
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なにかの拍子にカメラバッグのフラッシュバルブのひとつが発光して,
一緒に入れていた他のフラッシュバルブにつぎつぎと連鎖して
暴発した事故を耳にしたことがありました。
その事故のとき、周りは一瞬「ピカッ…」と輝いたことでしょう。
技術の進歩でフラッシュからストロボになって、
カメラバッグの用途が今のように変わってきました。
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フラッシュバルブは,ピーク発光までの時間が,
3㍉セカンドのFクラスのフラッシュバルブが使えました,
20㍉セカンドのSクラスのフラッシュバルブは「オリンパス35」に
使えませんでした。
フラッシュガンも電池が数本入る簡単な構造で,
大容量のコンデンサーを積んだBC型フラッシュガンはまだ出ていません。