写真説明:散歩の帰りは近くの団地を通り抜けます。
その団地の集会所に消防自動車が止まっていました。
広場で消火器を使った消防訓練が行われていました。
先日の期限切れの消火器爆発で注目されています。
署員の指導で団地の人々は燃えさかる火に怖々、
へっぴり腰で消火器を扱っていました。
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今日は,ベス単の話をします。
理屈っぽくなるのは、私の悪い癖ですがよろしくお願いします。
大正元年ですから今から97年前に、コダックから
三つ揃いの背広のチョッキのポケットに入るカメラ、
ベスト・ポケット・コダック(BPK)が発売されました。
当時,ロールフィルムを使うカメラは珍しかったらしいです。
レンズは,メニスカス・アクロマチックです。
上の図の右のように2枚のレンズが貼り合わせてあります。
レンズの明るさは前に付いているフードの口径でF11ぐらいです。
焦点距離は72mm。
シャッターはB,1/25,1/50…?
フィルムはベスト判です。
カメラの前蓋を引っ張ると蛇腹が伸びて、「カチッ」と止まります。
カメラに向かって,左側にシャッターのレバーがあります。
右側の円い窓はブリリアント・ファインダーです。
カメラの上から景色が覗けるようになっています。
上の図面左のカメラは大正9年、89年前に
ドイツのコンテッサ・ネッテル社から「ピコレット」
ベス単とそっくりなカメラが発売されています。
レンズはベス単と同じ単玉レンズ付きと、
名レンズ,テッサーF4.5、75㍉付きが発売されています。
上の図面右側、今度は、大正14年,日本版「ベス単」が
六櫻社(さくら→コニカ→コニカ・ミノルタ)から「パーレット」
の名称で発売されました。
戦後も製造が続いたのか,戦後しばらく,写真機屋さんのウィンドウで
ズラリと並んでいるのを見ています。
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「ベス単」は写真業界に影響を与えたカメラです。
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「ベス単」のレンズをF11ぐらいに制限しているレンズフードを外して,
レンズ開放F8にして 収差を増やしてソフトフォーカスの描写にする
「ベス単フード外し」と称して,独特の甘い描写を好む人もいたようです。
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「ベス単」からレンズをごっそり外して,
一眼レフのマウントに作り替えてソフトフォーカスを
楽しんでいる愛好家がいたようです。
一眼レフカメラのレンズマウントにした新品「ベス単」レンズもありました。
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私は,歴史的な「ベス単」を35㍉フィルム用に改造して使っていました