初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

ネガ目、ポジ目

2009年10月24日 17時16分57秒 | Weblog


私が 35㍉フィルムに拘ったのは,映画撮影用の

ネガフィルムの端尺が手に入ったからでした。

            … … …

フィルム(可燃性)に,父親から火に十分気をつけろと言われていました。

あるとき、父親に内緒で,庭で短いフィルムにマッチで火を点けてみました。

細長いフィルムは火だるまの蛇のように、その辺を飛び回りました。

あまりの火の勢いにびっくりした経験があります。



京都松竹下加茂撮影所のフィルム倉庫から大火災になりました。

フィルム素材はセルロイドでニトロ・セルローズと恐ろしい名前でした。

大火災を契機に、フィルムは不燃性化に進みます。

徐々にアセテート・ベースになっていきます。

              … … …

映画撮影用のネガフィルムは、市販の写真用の35㍉フィルムに比べて

少し肉厚でした。

映画はⅠ秒間に24コマ機械の中を走ります。

映画の画面は35㍉ライカ判の半分(ハーフ判,ペンサイズ)ですから

24×18㍉の画面になります。それが24コマですから、

18×24≒ 43㌢

43㌢ ≒1,5フィートになります。

このスピードに耐えるようにベースが肉厚にできていたのかもしれません。


     左がネガフィルム           右がポジフィルム

              … … …

35㍉フィルムの両側に、パーフォレーションと名付けられた、

穴が空いています。

その穴の形がネガフィルムは穴の両側が少し外に膨らんでいます。

それをネガ目と言っていました。

映画館で映写用のポジフィルムのパーフォレーションは四角形です。

それをポジ目と名付けられていました。



フィルムをダーク・バッグの中で、パトローネにフィルムを巻き込みます。

中軸にフィルムを止めるのに,絆創膏を使っていました。

セロテープはまだ市販されていなかったようです。

             … … …

コダックからカラーフィルム、エクタクロームが輸入されていました。

このフィルムのパーフォレーションは「ポジ目」でした。

日本ではこの内式のカラーフィルムの現像ができませんでした。

箱の中に,タブの付いた黄色い袋が入っています。

そのタブに万年筆で

93 Nishida-cho,sakyoku,

Kyoto JAPAN

住所を書きます

宛先はハワイ,ホノルルの現像所です。

ここは、色彩か鮮やかに仕上がるとの噂でした。

本社,ロチェスターに送ったこともありました。

フィルムを送るときは、郵便局から有料で航空便をはり込みました。

現像後,リバーサルを紙のマウントに入れて黄色い箱が船便で 返送されます。

1ヶ月ほど忘れた頃、手元に届きますからいつの写真か戸惑います。

             … … …

フィルムは現像料込みの価格でした。

アメリカの独禁法でやがて現像料は分離されます。

他の現像所で有料で処理できるようになります。

日本製のカラーフィルムも,現像料は含みません。と記されるようになりました。