写真説明:古くからの屋敷を、土木機械を使って,更地にします。
その上に,新しい設計の屋敷が建ちつつあります。
散歩の途中の新しいスタイルの屋敷を眺めて見ました。
松竹下加茂撮影所の大火災は,フィルム倉庫からでした。
それまで、映画フィルムはセルロイドで作られていました。
セルロイドは一種の樹脂ですが,可燃性の危ないものでした。
キューピーの人形も、学校の文房具の筆箱,
固形石けんの石けん箱。セルロイドはかなりのところで使われていました。
フィルムは可燃性で危険だから,不燃性のフィルムにと言われていましたが,
松竹下加茂撮影所の火災でいよいよ不燃性のフィルムに
切り替えられることになりました。
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映画の上映で、映写機の光源は強烈なアーク灯で
フィルム・ゲートに焦点を結びます。
そのフィルム・ゲートを可燃性の上映フィルムが走ります。
上映中の映写機になんらかの故障でフィルムが止まりますと,
ゲート内で静止した上映フィルムは,強烈なアーク灯でとろけます。
とろけたフィルムに引火して火事になったこともありました。
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映画館の上映に携わる「映写技師」の資格試験は,
映写機の操作のほかに消防の知識も要求されていました。
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松竹下加茂撮影所に宿直だった人が,フィルム倉庫の火事で,
全身、大火傷の重傷を負いました。
幸い命に別状はありませんでした。
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倉庫にあった数々の名作の フィルム原板もすべて焼失しました。
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後年、焼失したと考えられていた初期の作品、
川端康成、原作,脚色「狂った一頁」、と「十字路」が他所に残されていて,
大阪で,伴奏音楽入りのニュープリントで見ることができました。
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現在は,銀塩フィルムもすべてのフィルムも不燃性です
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