26日は春めいたお天気のなか、植物公園の気持ちのよい散策でありました。
鳥さんの気配はあるものの出会いはさっぱりでありましたが、
梅のほうは三分咲きというところでしょうか。ようやく開き始めております。
ベンチで一休みしておりますと、携帯への電話。
遠く大阪からのもので、友人訃報の悲しいお知らせでした。
友人Tさんはかつての先輩同僚。母も既に亡くし、奥様にも難病で先立たれ、
独居の暮らしでありました。
ご自身も肝臓やら肺やらを悪くされて何かと案じられる状態であったのですが。
Tさんはモノをよく知り、よく見る力がありました。若い時分、地学の専門でありつつ、
古墳や遺跡の調査見学、民俗学古老の方の訪問、伝統団扇の復元など
様ざま引き回してくださり、ご一緒させていただいたのはありがたいことでありました。
「モノと言ってもやはり人が関わったものでないと興味が持てないな。」
と、つぶやいてくれたこともありました。
お酒が好きでありました。モノを見ることには花鳥風月も含まれることでありまして、
これもまたあちこち引き回されることがありまして、そのあとの楽しいお酒でありましたね。
なかなかの人物でありました。たくさんのエピソードと思い出がありますが、
追々それらを思い起こしながら、かみしめてみたいと思っています。
ですので、悲報を受けたこの日の梅は、
「Tさんの梅」だと思っておく事に致しましょう。
切ないことですけど、ご冥福をお祈りします。(合掌)
「陽は温暖に降りそそぎ、風は花々揺っていた」というようなこの日のお天気でした。
そういえば、中原中也の詩句をそらんじることもできたTさんでありましたよ。