染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
でも日記は苦手。
皆様の気軽なコメントをお待ちしています。

LOST#6

2022年06月11日 | 店主の一日
今年は少し早く始まった「大地の芸術祭」
会期中で撤去されてしまう作品、恒久作品と様々あるが、今まで見てきた中でもっとも好きな作品が「LOST#6」です。
きはだやに来たお客さんに芸術祭の作品を案内するにもこの「LOST#6」は一押しで、チケットを買ってもらい随分と案内をしてきました。
まあ、ご覧になった方の感想はわからないけれど。
芸術祭の作品には十日町の産業であるきものに絡めようとした作品は多いのですが、きものの意匠を利用したものが多かったように思います。
「LOST#6」は鉄道模型から発せられた光が織物を作る際の道具や農具などの影を映すことで、この地域の風景を描き出すものでした。
綜絖棒、筬、紋紙など多くの人はそれがこの地域で使われてきた道具たちであることに気づかない方もの多いかもしれません。
それでも暗闇に映し出される影絵に十日町の風景を見出すことができると思います。
影絵であるが故にかつて、みんなが見てきた心象風景のようです。
(多分)ご覧になった方の多くが気づかないで通りすぎた道具たちを使って、誰もが見たことのある景色をつくりだした「LOST#6」がとても好きです。
実際のところ、里山現代美術館もそのうち展示替えがあるでしょうから、内心、「LOST#6」がその状況になった時には買い受けてきはだやの二階に置こうかと妄想していたこともあるのです。←金もないのにw
今回、修学旅行中の中学生が壊してしまったことで大きなニュースになってしまったのは実に残念ですが、作者のクワクボリョウタ氏は再び、つる意向もあるようですから、またステキな景色が見られるのを待ちたいと思います。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする