なにせ、小雪。読書も進みます。
この本をなんで選んだのかあまり憶えていない。
ただ、新宿の紀伊国屋をぶらぶらして何か、面白そうな本を探していた。
誰でもが知っている「ヒトラー」だが、では僕がどれだけ知っているかと言えば全くわからない。
そもそも、全く勉強不足です。
それに「独裁」なんてしようと思ってできるものなのか。
「私は今日からこの国の指導者として、全ての権限を集中させる」
なんて言う人に「ハイル」なんて言う人がたくさんいて、独裁を支持するとは思えない。
ではヒトラーの第三帝国はどうやって作られたのだろうと。
第一次大戦に破れて疲弊、混乱するドイツ経済を「結果として」立て直していく。
本の中にもあるのだけれど、首相になって4年間でその座を降りたら、ドイツを復興させた功労者とされただろうと。
経済は発展する、ナチス党の支持率はあがる。
ラジオ、活字、ポスターでプロパガンダを制していく。
そんな人気の絶頂期でその権力を離す人などはいない。
ただ、読んでいてもヒトラーが独裁を通じて自分が豊かでいい生活をしようとしていたようには思えないです。
ただ、頭の軽いお神輿として有能な参謀に担がれてきたように思うのです。
「ニュルンベルク法」の成り立ちについて書かれるあたりは読みながら気分が悪くなります。
免疫の薄い僕として読み進めていくと目眩がするほどです。
唯一の救いは「フィロ・アトラス」の章。
絶望的な環境にあっても、智恵を使って自らをあるいは他人を助ける人というのはいるものだなと。
〜気の毒なことに、大勢を変えるにはいらたなかったみたいだけど。
読後にネットで見たら、ドイツ史の専門家からいくつかの誤りを指摘されているらしい。
読んでいても細かいところは僕にはわからない。
「へ〜〜、そうなんだ」くらいの感じ」
示唆の多い本のように思えます。