


日本橋にいがた館は三越日本橋本店の向かいにあります。
なんだか、この日本橋三越っていいですよね。
日本ので最初に百貨店を初めて店として、小売業の象徴の様なお店です。
百貨店の大型化が進み、今ではその座を明け渡しましたが、三越本店は長く売場面積では日本一の広さでした。天井までの大きな吹き抜けはとても気持ちがいいものです。
向かいでちんなりと間借りしているのですが、なんとなくこの場所にいるとテンションがあがります。
環境保護なんかで、夜の電飾がなくなったのは残念ですが、堂々とした建物です。なんか華やかな感じでいいですよね。外観を見ると他の百貨店に比べると、金色の装飾が多い様に感じます。この装飾も華やかさを感じます。
我が家に残る古い観光絵はがきには隣の三井本館と並んだ三越が写り、下は砂利道でした。いろんな意味で象徴的な建物なのでしょう。
建物を外からみるとこの建物が増築された事がわかります。ちょっと窓の形も違うでしょ?
ちょうど看板の辺で作りが違うのが見え、材質も違います。手前の柱部分が旧館で、壁面が増築された部分と思います。
通りから向かって右側の方が古いようです。三越のシンボル、ライオン像も右側の玄関にあります。ライオンの像はロンドンのトラファルガー広場にあるものに倣って鋳造したそうで、全国の三越の待ち合わせの目印になるものでもあります。解説の看板には「誰にも見つからずにライオンに股がると幸運になる」みたいな事が書いてあります。学生の時に「三越のライオンに股がって待ってる」なあんて云う用途ない事を言っていた気がしますが、これがネタ元だった様にも思います。
その上には金色の女神像があります。今は新館との間の入り口の方が出入りは多い様に見えますが、元々は向かって右が正面玄関のようです。
正面玄関の上には三越の社章と旗があります。写真がないのですが、屋上には塔屋もあり、これは新幹線からも日銀越しに見る事ができます。本館の右側だけでも完結した建物として設計された事が解ります。最近は地下鉄から直接、館内に入るかたも多いかと思いますが、この建物をゆっくりご覧になるのも楽しいかと思います。
おおきな吹き抜けには木漆の天女像が建ちます。階段で裏面に回ると製作に携わった方の名前が刻まれています。三越の50周年を記念して作られたものだそうです。ここにはパイプオルガンもあって、時々、ミニコンサートなんかもしてますね。この空間の優雅さにも圧倒されます。
本館と新館の間には車寄せがあり、この場所は極、一部の人しか使う事ができず、その車のナンバーからお客様の名前迄、総てを係の方が憶えていている事で知られます。以前に、にいがた館に来た時に天皇、皇后両陛下が三越にお越しになっていたのを見た事がありますが、その時に初めて車寄せを使う人を見ました。
最近では国宝級の仏像が海外のオークションにかかった時に、文化庁だったかの依頼を受けて三越が競り落としたなんて話題もありました。普段は僕が使う事ができる百貨店ですが、上位顧客の様子はスケールが大きくてなかなか伺い知る事ができません。
建物の中には三越劇場まであり、ありとあらゆるものを備えた店でもあります。
建物の事ばかり書きましたが、僕は三越って大好きです。あの包装紙も華やかな感じで、何か特別なものをいただいたみたいな気になります。社員さんも多いですよね。納品しているメーカーさんの派遣の方も勿論いますが、本店は社員の方の人数は他の店、百貨店に比較しても随分、多いように思います。それだけに「三越」全体への気配りもよく、車いすを使った方などがお店に来た時の店員さんの気遣いもよい様に思います。そんな様子を見かける事があると感心してしまいます。
僕たちは物産展で三越に入る事もありますが、社員の方たちは我々、業者へもいろんな配慮をしてくれます。あんまり何かを威張って言われた事がなく、その一方でお客様への応対には一番厳しく指導される店でもあります。第一回新潟物産展が行われた時に三越さんの特別食堂で懇親会をしてくださりました。入ると奥の個室には大観の絵がかかっていて驚いたのを思いだします。その時は上席の方もお越しいただき、激励していただきました。感激したのを今でも思いだします。
三越を外と中から見ると、この店のよさが見える気がします。建物と歴史が培った良さをそのまま持ち続けているお店ですね。