染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
でも日記は苦手。
皆様の気軽なコメントをお待ちしています。

新潟市美術館で「無言館」展を見る。

2021年05月29日 | 店主の一日
昨日は好天の新潟市に。
少し時間があったので新潟市美術館に。
設計は新潟が生んだ巨匠前川國男(幼少の頃、新潟にいたのですが、小学校は東京で出ているので、新潟が生んだと言っていいかどうかも気が引けますがまあ、よいのです。)
深緑色のタイルが重厚な雰囲気を醸し出します。でもこの緑が建物を取り巻く木々の回廊と実に馴染みがよいのです。
(冬も鈍色の空に対して重たい緑も実にバランスがよいです)

目新しいこともなく、装飾も装飾もない建物ですが、「美術館っていうのはこれでいいんだよ」と言われているような気がします。
外を歩く人はいませんが、実に穏やかな場所です。
展示室へのアプローチが微妙に上りになっているのが好きなのです。

今回は企画展「無言館」を観てきました。

無言館の詳しい説明は省きますが、上田市にある美術館です。美術を学びながらも第二次大戦で亡くなった人たちの作品を集めてあります。

入り口にあった挨拶文に惹かれてしまいます。
「ここは戦没者の慰霊施設ではなく美術館なのだ」とあるいは「戦争が我らの記憶から薄れていくこんにち、無言館の存在意義が問われている」と。
知っている画家の名前は一人もありません。もしかしたら戦後の巨匠になり得たひともいたのかも知れません。
画家の名前も知らないのに、絵のキャプションの方に先に目が行きます。
名前、出身地、出身校(多くは東京美術学校洋画科)、軍歴と死因、終焉の地、享年(満州であったり、沖縄であったり、南洋であったり、そして多くは20歳代)絵よりも先にキャプションを追っていました。
絵と軍歴はリンクをしていないはずなのですがそれは切り離されるものではなく、それが美術館のみでなく慰霊施設であるように。
それほど大きな絵はないのですが、どれも重たい色調でどんよりと暗い感じです。戦前の絵の具は茶しかないのかとおもう程。
別に戦時中に描かれたわけではないのですが、どれも重たい筆致です。〜あるいは当時の流行なのかもしれません。
多くは洋画でしたが、数点の日本画の透明感がやけに清々しく見えるほどです。
どれも黒い簡素な額に収まっています。
所々に戦地からの手紙や遺品、使っていた絵の具箱があります。
絵でない何かを語りかけられている、言葉にするのが難しい微妙な感情を生んだ展示でした。
建物を出てから、もう一度、館の外構を歩きます。
軍事郵便もルソン島も銃撃戦も黒い簡素な額も初夏の光が溶かしていくようでした。
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バラが咲く

2021年05月29日 | 店主の一日
バラが咲きました。
本当は少し剪定をしたほうがよいのかもしれませんが、伸ばしたい放題。
まぁ、これはこれで華やかでよいです。
いくらでも切り花が作れそう。








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ほとぼり冷めて月蝕

2021年05月28日 | 店主の一日
最近は「月」の話題が多いなあと思います。
以前から月蝕はそれなりにニュースになっていたように思いますが、満月くらいではそれほど気にもされなかった気がしますが、毎々、満月に名前がついたりです。
先日の月蝕の日、十日町はすっかり曇っていて実際に月蝕の時間には全く見ることができませんでした。
後からニュースで見たら佐渡では見えたらしいのですね。
写真は、すっかり満月に戻った後のもの。
LEDの街灯も明るく何を写そうとしたのかわからない感じです。

子供の頃、「かいきげっしょく」もしくは「かいきにっしょく」と聞いて、「かいき」は「怪奇」でした。
一体、どんな恐ろしいことが起こるのだろうと思っていた頃がありましたとさ。


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帯、できて来た。、

2021年05月27日 | 店主の一日
コロナ禍、近間の観光をしたり、庭仕事をしていて、ちっともモノづくりをしていないのではないかと云う誤解が出始めておりますが、そんなことはありません。
角帯ができました。
目標にしたのは「よく見る男モノの緑と似ていて、違う緑」
今回の色はバッチリです。
現品を見ていただけたらきっと気に入っていただけると思います。


下の帯も一見、無地に見えるのですが三色の糸を使って織ってあります。
「手をかけたものはきっと手をかけたなりに見える」そう、思っています。

只今、開催中の東武百貨店船橋店の催事場「職人展」の会場に持ってきました。
まだ一本づつなのですけど、現品に会いにきてください。
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ギャラリー湯山

2021年05月23日 | 店主の一日
ギャラリー湯山。 松之山にある古民家を改装したギャラリーです。
年に三回くらいの企画展が行われます。
「次回の案内を出します」と言われて、芳名帳に名前を書くのですが、一度も案内をもらったことがなく、
「毎年今頃、やっているから」と出かけていく感じです。あはは。
まあ、いいや。

今回は星野健司展<彫刻と新靈>
鎮座まします彫刻。 やはりこれって街の中で行われる展示と違う気がしませんか。

添えられたパンフレットには『縄文から今日まで日本人と彫刻の関係は魔除け、病苦の治癒、悪疫の平癒なと具体的で現実的な「現世利益」だ。このような「靈力」のある彫刻を真剣に実現させたいと願っている。』とあります。
それは現代の円空や木喰を目指そうとしているのかもしれません。



展示もよいのですが、牧歌的風景の中にあるこの存在がなかなかよいです。
十日町にいてそんなに牧歌的なものを求めることもなかろうと思いますが、それでも空気感が全く違います。
二階の窓から切り取られた景色はいつも美しい。
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芍薬

2021年05月16日 | 店主の一日
芍薬を花壇に植えていたのだけれど、なんだか株が大きくなってきたので、半分を
畑に植えて、残りを花壇に残しておきました。
移植の際にだいぶ、根をいじめたせいか、ここ数年は咲いたり咲かなかったり。
ちょっとがったりしていたのですが、根がしっかりしてきたのか今年は四つの蕾をつけました。
畑に移植した方は今年、初めて蕾をつけましたが、こちらは六つ。
初夏の風は実によいです。



チューリップはもう、おしまい。

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LED

2021年05月15日 | 店主の一日
なんだか夜道が明るくなったなぁと思っていたら、街路灯がすっかりLEDになっておりました。
まぁ、防犯上もこの方がよいのでしょう。
でもなんだか白っぽ過ぎていけません。
なんだか、全く色気がない感じですね。

この明るさの中で育つ少年達は怪人二十面相を尾行する少年探偵団の様子をどんなふうにイメージするのでしょうか。

今宵は随分、細い月ですね。





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小栗山観音堂で木喰仏に会う

2021年05月05日 | 店主の一日
五月三日には小千谷に牛の角突きを見にいったのですが、実はもう一つ楽しみにしていたのは同じ小栗山地区にある観音堂。
ここには木喰上人が彫った観音さま等35体があります。
新潟県には全国最多の木喰像があるそうです。
遊行僧の作る木彫りの仏像は実に穏やかで美しいです。

仏教の宗派によらない遊行僧が作り出した民衆信仰が垣間見えるように思います。
難しい顔をした仏様もよいのですが、この山の上にある静かなお堂でこの穏やかな微笑みに会うのはとてもよいものです。
木喰上人は昼間は集落を回って施し祈りをし、夜になると木に向かって仏様を彫ったそうです。
この穏やかな顔にここの集うた人たちの祈りが聞こえるように思えます。


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山菜の季節です。

2021年05月04日 | 店主の一日
連休は山菜の季節です。
お昼はおそばと山菜の天ぷら。
こごめ、ねまがり竹、うどと新玉ねぎのかき揚げ。
こらを食べると雪にうんざりした冬の事を軽く忘れてしまいます。





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店主、牛の角突きに行く。

2021年05月03日 | 店主の一日
今日は小千谷東山の闘牛場に牛の角突きを見に行きました。
今日が初場所です。
細道を闘牛場へ次々と車が登って行きます。
山間地であまり広い土地が取れないのを方々に車が止まっているのはなかなかよいです。
闘牛場への入り口には幟が立っていて、気分があがります。
そして、牛を持つ人たちにとってこの日がハレの日であることは言わずもがなです。




数年前に山古志でも角突きを見たのですが、この地域の特徴として牛同士の勝敗をつけないというのがあります。
角で押し合いをする中で勝負がつく前に勢子長が合図を出します。
すると周囲にいた勢子が牛の足を取り鼻を取りして角突きを止めさせ一件落着。
でも見ている側からすると「よしっ!これから」というところで戦いが止まります。
でも意外と見ていると、フラストレーションが溜まります。
相撲でいえばまわしの取り合いをして、四つに組んでおしまいって感じです。
そんなことになったら、国技館に座布団が乱れ飛びます。
全国に闘牛がたくさんあるのですが、こう云った勝敗をつけないのは小千谷と山古志だけなのだそうです。
農耕用の牛でもあるので、傷つけず大切にするために引き分けにして相手を痛めつけるまで戦うことをさせないのだとか。


でも多分、かつての闘牛の勝敗は賭け事の対象であったはずです。
ここで勝負をつけることで大きく傷を負うのは実は牛ではなく、この小さなコミュニティの人間関係な気がします。
闘牛なのでつい牛の格闘中心に見てしまいますが、勢子が牛を抑える様子などは実に見事なものです。
十日町で僕が大好きなおまつりに赤倉の神楽がありますが、それと同じような位置づけであるのかもしれません。
いやぁ、この角突き、なかなかよいですぞ。

それでも土俵?の端まで牛が寄ってくる様は迫力十分です。




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