ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

北方領土のコンブ漁、ロシア側に解禁の動き 日本の貝殻島漁に影響も 2021年12月01日 朝日新聞

2021-12-01 16:05:59 | 日記

 

2021年12月01日

朝日新聞

[北方領土のコンブ漁、ロシア側に解禁の動き 日本の貝殻島漁に影響も]

北方領土の国後(くなしり)島、色丹(しこたん)島、歯舞(はぼまい)群島をロシア側で管轄する南クリル管区で、これまで認められていなかった自然保護区域の海域でのロシア漁業者によるコンブ漁を、解禁する動きが出ている。実際に解禁された場合、民間協定に基づいてロシア側に採取料を払って歯舞群島の貝殻島周辺水域で日本漁業者が操業してきたコンブ漁などにも、影響が出る可能性がある。

ロシア・サハリン州のネットメディア「サハリン・インフォ」の11月25日の報道によると、コンブ漁の解禁が検討されているのは、国後島の北部と南部の一部、色丹島の大部分と歯舞群島の全部の海域だ。この区域には、国後島を主な対象とする自然保護区と、色丹島と歯舞群島が対象の禁漁区が含まれている。

歯舞群島の沿岸は、終戦直後に旧ソ連軍に占拠される前からコンブの有数の好漁場だった。ロシア天然資源省などによると、1987年から92年にかけてロシア漁業者によって集中的にコンブが乱獲された結果、志発(しぼつ)島で97%、勇留(ゆり)島で89%、水晶島(すいしょうじま)で76%もの資源が失われた。

このため、これらの海域ではコンブを含む多くの水産資源のロシア企業による採取が禁止されてきた。しかし、色丹島の斜古丹(ロシア名マロクリリスク)の水産加工企業「オストロブノイ」を中心とするロシア企業が、水産資源の不足や雇用の創出を理由に2015年ごろからコンブ漁の解禁を強く要請していた。

天然資源省も最近になって、南クリル管区でのコンブの採取を可能にする方向で規則の改正を準備しているという。漁業者らがこの地域の資源状況について好転しつつあるとみていることも、解禁の動きの背景にある。ロシア側には、これらの水域で可能なコンブ漁獲量について年間8万トンとの予測が出ている。資源に悪影響を与えない範囲では同50万トンもありうるという、より大胆な見方もあるという。

一方、根室市の納沙布岬から3・7キロ先にある貝殻島のコンブ漁は、旧ソ連による日本漁船の拿捕(だほ)が多発したのを受け、安全な操業を確保するために大日本水産会が旧ソ連と1963年に結んだ民間協定に基づいて始まった。北方領土水域で行われている日本側の唯一のコンブ漁だ。

ロシア側に採取料を払って操業する方式で、ロシアの200カイリ漁業水域導入に伴う一時期の中断の後も、81年に北海道水産会が協定を結び直して続いてきた。55回目の今年は、採取量を3470トンとし、9084万円の採取料支払いと350万円の機材供与をロシア側に行い、6月1日から9月30日までを漁期に実施された。

しかし、歯舞群島を含む北方領土の自然保護海域でロシア漁業者によるコンブ漁が解禁された場合、貝殻島周辺でも操業が実施されれば、日本側の漁との間で新たに調整が必要になるのは必至とみられる。

他方、北方領土の海域でのロシア側のコンブ漁再開は、それを可能にするほど資源状況が改善されていることを意味する。日本側には、そのことを理由に歯舞群島はじめ北方領土水域での日本漁業者によるコンブ漁操業区域の拡大をロシア側に求める可能性を指摘する声が、漁業関係者らを中心に出ている。

貝殻島コンブ漁でロシア側との交渉を手がける道水産会は、「ロシアでの報道は承知しているが、まだ天然資源省の動きなど詳しいことがわからない。実際に解禁されれば、道内のコンブ漁にも影響が出そうな動きなので、注視していきたい」としている。

 

2021年11月25日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

ロシア地元一般紙(WEB)サマリー仮訳 

Японских рыбаков лишают капустной монополии на Южных Курилах

[日本人漁業者の南クリール沿岸でのコンブの独占が奪われる]

ロシア天然資源省は、南クリール列島沿岸でのコンブ採捕のための規則変更の準備をしている。

現在、この沿岸ではパラドクスな状況が発生している。

自然保護区“小クリール”(色丹島・歯舞群島)においてロシア企業は、コンブを含め、多くの水棲生物資源を採捕することが認められていない。

一方で、日本の漁船は、1981年に締結された協定(*原文には政府間協定と記載)により、数十年の間、コンブの採捕が認められてきた。

"コンブ問題“(Ламинарный вопрос:ラミナルヌイ・ヴァプロス)は、行政、地元議会など、サハリン州でかなり長い間議論されてきた経緯がある。

色丹島の漁業コンビナート“アストロブノイ”が原料不足に苦しみ、経営に行き詰った2015年が、パラドクスの象徴といえる。

この時でさえ、外国人漁業者はコンブを採捕し、ロシア企業はそれにアクセスすることが出来なかった。

昨年2020年、サハリン漁業者協会会長マキシム・コズロフは、サハリン州を訪問したロシア検事総長イゴール・クラスノフとの会合で“コンブ問題”を再び提起した。

マキシム・コズロフは、この要請行動が、ロシア天然資源省による保護区の規則改正案手続きに帰着していると説明している。

改正の承認と採択は今年2021年末と見込まれていて、これによる年間8万トンのコンブの採捕の可能性が検討されている。

一方、ロシアでは明確な業界の見通しがないため、これは推定値の概算であり、資源量調査もまだ行われていないのが実態となっている。

ソ連時代、クリール列島で、いくつかの企業はコンブの採捕と加工を行い、その製品が全土に供給されていた実績が残っている。

 

 

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ロシア カニ協会 “行列のできる検問所”クラスキノ問題 トルトネフに要請

2021-12-01 11:33:36 | 日記

 

2021年11月30日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア カニ協会 “行列のできる検問所”クラスキノ問題 トルトネフに要請]

ロシアカニ漁業者協会は、ロシアから中国への陸路による水産物輸出の要所、ロシア沿海地方クラスキノ検問所の対応が、活カニ等、水産物陸上輸出を滞らせ、業界の活動を壊滅的なものにしているとし、問題の解決を求める書簡をロシア副首相兼極東連邦管区大統領全権代表トルトネフに対して送付した。

クラスキノ検問所は、2021年10月中旬から同月末までの間、夜22時まで業務を行っていたが、同年11月に入り、夕方19時でこれを終了、再び活魚トラックの渋滞、待ち行列がひどい状況となっている。

再三にわたり関係業界は、要請行動をとっているが、クラスキノ検問所の対応は惨憺たるもので、設備も古く、機能不全に陥っている。

渋滞、待ち行列は、数キロメートルとなり、最悪10日間、通関をきることが出来ず、業界は活カニの斃死リスクに晒されている。

ロシアカニ漁業者協会は、業務時間が一部延長されていた10月中旬でさえ、活カニの20%-25%が斃死、業界の損失は1,000万ドル-1,200万ドルに達したとしている。

これから年末年始の活カニ需要のピークを迎え、事前の対策を講じなければ、同様のトラブルが繰り返されるとし、ロシアカニ漁業者協会は、12月1日からクラスキノ検問所の業務を年中無休、9時から22時までに設定する必要があると求めている。

クラスキノ検問所の問題の根源は、インフラの状態にあり、これが解決するまで、状況を大きく変えることはできないと理解しているが、業務体制を変えることで、部分的にでも物流の速度に変化を与えることが出来るとロシアカニ漁業者協会会長ドウプリャコフは語った。

なお、トルトネフは、同年8月、ロシア極東地方での最悪の事態の一つにクラスキノ検問所問題があると言及していた。

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2021年12月01日 日刊水産経済新聞  韓国スルメイカ なお昨年比倍増 西海トロールが牽引 / ロシア マス豊漁で魚卵2万トン超す

2021-12-01 10:16:51 | 日記

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