2021年12月03日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[来年2022年 米国スケトウダラTAC 激減の可能性]
来年2022年の米国海域の主力漁場のベーリング海のスケトウダラの総許容漁獲量(TAC)は、科学的勧告に従い、激減する可能性があり、これは世界市場に緊張を生み出す恐れがあるレヴェルとされている。
米国海洋大気庁(NOAA)が2021年11月中旬に提出した生物学的許容漁獲量(ABC)は111万1,000トンであり、前年となる今年の162万6,000トンを大きく下回っている。
今年の当該海域のTACは137万5,000トンだった。
現在、北太平洋漁業管理委員会(NPFMC)が、削減受け入れの可能性、範囲等について話し合いをしているとされている。
一般的に、TACはABCを下回る設定になることが多く、たとえば、2020年の米国ベーリング海域のスケトウダラTACは142万5,000トンであり、ABCよりも約30%少ない。
米国のスケトウダラのTAC減少の可能性に関する情報は、多くの人々、特に労働市場に不安を与えている。
なお、ロシア海域のスケトウダラのTAC設定も、今年2021年の199万6,000トンから、来年2022年は192万7,000トンと米国海域ほどの低下評価ではないものの削減されることが決定している。