内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

哲学に「触れる」事、事に「触れる」哲学、哲学は忙裡偸閑にあり

2017-08-25 20:57:56 | 哲学

 このブログの明日からの記事は、原則、何らかの仕方で哲学に「触れる」内容にしたい。一般に哲学の分野に属するとされるテキストを読む時間が今後しばらくほとんどないからこそ、そうしたい。その日その日に、つべこべ言わずに待ったなしでこなしていかなければならない仕事があるからこそ、哲学に「触れる」時を、ブログの記事を書くことそのことで保持したい。
 具体的に、どのような仕方でそれは実践されうるのか。
 例えば、日常の具体的な事柄一つ一つに即して、そこに実質的に含意されている問題を哲学的に概念化することでそれに言語的表現を与える。あるいは、逆に、自分たちが直面していると思い込んでいる問題がそもそも誤った問題の立て方ゆえに発生している疑似問題に過ぎないことを明らかにする。あるいは、混沌として見える具体的な現実を哲学的概念によって解析し、一定の順序にしたがって解決可能な一連の問題群として、論理的に定式化する。
 とはいえ、本人がそのつもりでも、実際は哲学に触れ損なうということもあるだろう。それはそれ。何があろうと、毎日続けることが肝要だと思う。
 忙しくて時間がない、というのは、哲学を放棄する理由には決してなりえない。忙裡偸閑、それこそ哲学の「はじまり」であろう、と私は思う。