内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

集中講義第一日目 ― 伝えることのむずかしさ

2019-07-27 23:59:59 | 講義の余白から

 学生の出席は三名。昨年まで二年間TAを勤めてくれたIさんが、忙しい中、今日だけということで参加してくれた。多謝。
 イントロダクションとして、自己紹介もかねつつ、かなり自由に話しながら、学生たちの反応を探った。感触として上々、つまりかなりセンスがいい応答が返ってきた。来週火曜日からの第二回目以降が楽しみだなと上機嫌で帰路についた。
 例年通り、その日の感想を四百から六百字で送るよう授業の始めに頼み、終わりにも念をおした。二名は、要求通り、感想を送ってくれた。期待通り、二人とも、それぞれに自分の問題関心に引きつけて、いいところを掴んでいる。
 ところが、もう一人は、詳細は省くが、火曜日以降の欠席を知らせてきた。礼儀正しい文章。ただ、文面から察するに、こちらの意図がよく伝わっていないこともわかり、その点について一言釈明した上で、あとは自分で判断するよう返事した。授業への出席は、権利であって、義務ではない、というのが私の基本的なスタンス。だから、それ以上は言えない。
 今日の演習で自分が話したことに後悔はない。でも、それが相手に伝わるかどうかは別問題。ほんとうに実りあるコミュニケーションは難しいと改めて思う。
 ともあれ、今日の演習でのやりとりは、それはそれで、一期一会。そのことにはただ感謝するのみ。