名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

山里の人たち

2013年04月27日 | セカンドルーム

 

夜半に降った雪は、朝方には氷雨に変わっていた。


散歩に出かける頃も、あたりは薄暗くて寒い。

雨で雪はすぐに解けてしまったが、前山の尾根は夕方まで薄化粧をしたままだった。
終日雨が降ったり止んだりの寒い一日で、名古屋の気候との違いを今更ながら感じる。

お付き合いのあった近所のお年寄りから、餞別の品を色々といただいた。
お米や大豆、味噌など、いずれも丹精をこめて作ったものばかりで涙が出るほどうれしい。
むかし、行商人への支払いは、米や大豆が使われたといわれる。
現金収入の少ない時代に育った人たちの、米や大豆に対する思い入れの強さを聞いているので、ありがたさが身に沁みる。
外出できない94歳のおじいさんが、足の弱いおばあさんに手紙を託して、雨の中を届けてくれた。

最近おじいさんが惚けてきたと嘆いていたが、文章も文字もしっかりしていて、とてもおばあさんの言うようには思えない。
野良仕事を教わり、マムシ酒の仕込み方まで手ほどきを受けた師匠の一人だが、今は老夫婦だけでひっそりと暮らしている。
残された日が少なくなり、素朴で親切な山里の人たちとの別れが、日増しにつらくなる。

コメント (12)
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