今朝は深い霧にすっぽりと覆われていたが、日が昇り始めると瞬く間に消えていった。
あたりからは、田を起こしや代かきをするトラクターのエンジン音が響いてくる。
兼業農家の人たちは、連休を待ちかねたように農作業を一斉に始める。
年々歳々変わらぬ山里の風景が、今年も繰り広げられる。
13年前、庭に植樹した桜の木は、ここを去る日を知ったかのように開花してくれた。
引越し荷物の整理をしているが、「思い出だけを持ち帰る」は、ほぼ実現し登山装備もハイキング程度の品と、木工道具も趣味の工作をする以外の物は、すべて後の人に使ってもらうことにした。
使い古した生活用品まで有効に使ってもらうことになり、最小限の廃棄で済んだ。
物を大切にするという、山男同士の価値観が共有できたことはとても嬉しい。
山里を引き上げるに際し、ブログを閉じることに最後まで逡巡した。
今年に入って閲覧数が累計100万を越し、飛騨・山里・田舎暮しという狭い範疇にも拘らず、多くの人たちから支持応援をいただけたことは望外の喜びであった。
多くの応援を頂きながら、このまま消えてしまうのも偲び難く、当ブログの志を新しい「山里の住人」に引き継いでもらうことにした。
飛騨の山里に対する思いが同じで、若い視点から飛騨の暮らしや仕事、生活文化、自然環境などを発信し、過疎化の進む集落の発展につながれば、「飛騨の山里便り」も浮かばれると思う。
当ブログの更新は4月末で区切りをつけ、最終記事で新たにスタートするブログにリンクする予定でいる。
もと「山里の住人」も、いつの日か都会の片隅から、第3の定年模様をお伝えしたいと思っている。
その時は、新生「山里の住人ブログ」からリンクを張ってもらう予定でいるので、共々よろしくお願いします。