今朝も冷え込みが強く、霜が降り氷も張っていた。
凍てついた田んぼは、氷の模様を描き朝日に輝いている。
畦の霜柱は、研いだ刃物のように寒々と光っていた。
早い家では、田起こしや苗代作りが始まった。
町のホームセンターには、夏野菜の種や苗が並びはじめた。
春の寒さも今日が最後のようで、山里の農作業もいよいよ本格的に動き出すことだろう。
今日も引越しの準備と掃除で明け暮れた。
名古屋へ持ち帰るもの、後の人に残すもの、廃棄するものに仕分けをしながら作業を進めた。
古家は広くて物の置き場に事欠かないため、13年の間にたくさんの物がたまっていた。
持ちすぎること、捨てきれないことで人を息苦しくすると言われるが、実行が難しい。
山頭火が「持ちきれない 荷物の多さ まへうしろ」と詠んだのを思い出すが、心の荷物だけでなく物そのものから開放されれば、人はもっと身軽な動きが出来ることだろう。
引越しの準備をしながら、老いの欠点は持ち過ぎであることを自覚し、物心ともに身軽になって第2の定年を迎えようと、思ったりしている。