早朝は霧が立ち込めていたが、日が昇り始めると、またたく間に消えて青空が戻ってきた。
ここ数日の寒さは影を潜め、久しぶりの小春日和となった。
今日は近所のおじいさんの持ち山で、ナラの木を切らせてもらった。
南向きの日当たりの良い山に育つナラは、きのこ栽培に適しているので、毎年お願いしている。
93才になるおじいさんは、春先に脳梗塞で入院していたが、今は回復して軽作業なら出来るようになった。
山里暮らしのお師匠さんの一人で、野良仕事や山仕事を一から教わった。
今は仕事をやめて、家の近くの畑で野菜を作り、老夫婦で暮らしている。
家に閉じこもることが多くなったので、天気の良い日は誘い出して、手伝って貰ったりしている。
丸太の運搬は無理でも、小枝の始末程度なら手際よくやってもらえる。
山ぎわには小さな田畑があって、数年前までは2キロほどの道のりを通って、米や野菜を作っていた。
当時の作業小屋は残っているが、もう使える状態ではない。
農繁期にはここに泊り込んで農作業をし、秋の刈り入れの頃は、焚き火をしたり空き缶を叩いて動物の侵入を防いでいた。
ずいぶん昔のように思うが、つい最近までこんなスタイルの米作りが行われていた。
この周辺には、猫の額ほどの廃田が、あちこちに残っていたが、苦労の跡は次々と自然に還っていく。
私も元気をいただきました。
93歳のお師匠さん、来し方をどのようにお思いでしょう。
今日は山里さんに誘われ、山に入れて喜んでおられたと思います。
福祉や医療の谷間で自立出来るのはすごいと思います。
他を当てにしない生き様も見習いたいです。
これが普通だとは、なかなか割り切れませんが・・・