国語屋稼業の戯言

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中高生のための内田樹(さま) その40

2019-10-04 14:47:26 | 中高生のための内田樹(さま)
●内田樹先生の東大問題シリーズである。

●解説はヒントのみで。

 本文以上に面倒くさい文章になってしまったので、ヒントのみの方が良いかと。。

●解答は背伸びした中学生でも解答できるレベルで。というか、東大現代文ってそういう問題が多いと思うんだ。

●現代文が苦手な人は、本文を読んで、解答を読むを最低2回繰り返してほしい。


次の文章を読んで後の問いに答えなさい。

 「反知性主義」という言葉からはその逆のものを想像すればよい。反知性主義者たちはしばしば恐ろしいほどにもの知りである。一つのトピックについて、手持ちの合切袋から、自説を基礎づけるデータやエビデンスや統計数値をいくらでも取り出すことができる。けれども、それをいくら聴かされても、私たちの気持ちはあまり晴れることがないし、解放感を覚えることもない。というのは、ィこの人はあらゆることについて正解をすでに知っているからである。正解をすでに知っている以上、彼らはことの理非の判断を私に委ねる気がない。「あなたが同意しようとしまいと、私の語ることの真理性はいささかも揺るがない」というのが反知性主義者の基本的なマナーである。「あなたの同意が得られないようであれば、もう一度勉強して出直してきます」というようなことは残念ながら反知性主義者は決して言ってくれない。彼らは「理非の判断はすでに済んでいる。あなたに代わって私がもう判断を済ませた。だから、あなたが何を考えようと、それによって私の主張することの真理性には何の影響も及ぼさない」と私たちに告げる。そして、そのような言葉は確実に「呪い」として機能し始める。というのは、そういうことを耳元でうるさく言われているうちに、こちらの生きる力がしだいに衰弱してくるからである。「あなたが何を考えようと、どう判断しようと、それは理非の判定に関与しない」ということは、「あなたには生きている理由がない」と言われているに等しいからである。
(内田樹「日本の反知性主義者たちの肖像」)



問 「この人はあらゆることについて正解をすでに知っている」(傍線部イ)とはどういうことか、説明せよ。









【解答例】 
多くの知識を前提にした反知性主義者は、自分の都合で知識を習得しており、その範囲ですべてのことに関して絶対的に思考しているということ。






【解答へのヒント】
・「この人」のさす反知性主義者という言葉の特徴を解説しておきたい。なぜなら「反知性主義者」という言葉が常識と違う内容だからである。ここでは修飾語で説明をしている。「『反知性主義』という言葉からはその逆のものを想像すればよい」を活用した。
・「自説を基礎づける」の「自説」を「自分の都合」とした。
・「あらゆる」=「すべてのこと」
・「正解をすでに知っている」=異なる他人の意見を聞かない=「絶対的に思考」


『日本の反知性主義』のまえがきをぜひとも読んでおこう。


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