北極圏の朝はとても美しい。キールナ鉄鉱山の背景がだんだん赤くなってゆく↓
今日はあの地下へ行くのだ。
16世紀からサーメ(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの北極圏先住民)の人々は鉄鉱山の存在を知っていたが、組織的に採掘することはなかった。
1890年にスウェーデンが国営鉄鉱山会社LKABを設立して掘りはじめ、現在の坑道はもともとの頂上から地下1300メートル以上に至っている。
朝食レストランの蒼くなった窓↓
外の雪と暖かい室内のコントラストがなんとも心地よい↓
鉄鉱山に朝陽があたりはじめた09:15、キールナの中心部にあるLKABのインフォメーションセンターへ歩いてゆく↓
少し高台になった小学校の敷地からは遠くの山々にある風車がくっきりと見える↓
「ブリューゲルの絵のようだ」と思う
自分たちの影が長くのびている↓
十五分ほどで到着
ここで簡単な地形説明をうける↓
↑坑道はいまやキールナの町の真下に至っており、崩落の危険がある。2030年までの長期計画で移転が進行中。2018年には市庁舎も移転し、いよいよ大移動が開始予定。
↑赤い線の内側が2033までに崩落の影響があらわれると予想されている地域。
※きのうの日記に書きました
LKABのバスが迎えにきた↓
LKABのマークの二つの山は、キールナヴァーラ(古いフィンランド語系の言葉で「ライチョウの山」をあらわすそうな)と、ルッサヴァーラ(同じく「サーモンの山」)。
この二つの山を主に開発してきたのでこれを会社のマークにしている。
担当ガイドのイーメルさんとギュンネさんと共にバスに乗り込む↓
敷地から出発する鉄を運ぶ列車をちょうど見かけた↓
65台の貨車で150トンの鉄を運ぶ列車が一日十本運行されているそうな。強力な馬力の牽引車が必要なので、列車もLKABで開発した特別性。
ノルウェーのナルヴィク港から三分の二、スウェーデンのルレアから三分の一を運び出す。きのう我々が乗ってきた鉄道は、もともと鉄を運び出すための通されたものだ。EUの消費する鉄の90%がキールナからのものだと聞いて驚いた。この鉄の力があってこそ、スウェーデンは第一、第二次両大戦に参戦せずにすんだのだろう。
敷地内に入る↓遠望していた事務所ビルが近づく。NYCの国連ビルがモデル。似ているかな↓
バスごと、坑道に入っていく。昔々の坑道とはぜんぜん違う。頭を低くしたりすることも一切ない。
降り立った地下560メートルのどころで、全員ヘルメット着用!↓
まぁ、石が落ちてくるようなことは、ほんとうに「万が一」なのでしょうが。
広々とした見学エリア↓9年前に訪れた時も広かったがもっと広くなった様子
映画上映スペースもある↓
英語の解説だが分かりやすい。一日にエッフェル塔四本分にあたる鉄を掘り出している。
ここからの鉄はマグネタイト(磁鉄鉱)で、大変質が良い。原石を掘り出すというだけでなく、砕いて精錬して、鉄鋼会社が必要とする品質に合わせてオーダーメイドの鉄をつくりだしている。だから、高く売れるのか。
きのう、キールナ在住の方から「鉄鉱山の人の給料は、一般住民と比べてとても良いのです」ときいていたので、ストレートに訊ねてみたが…
「LKABでは七千人の従業員が二百以上の職種に分かれて働いています。地下の作業員たちも満足している金額は得ているでしょうね」と微笑まれた。
下は鉱山の断面図↓
現在の最深採掘地点はすでに1500メートルに達している。ここで毎日午前一時十五分から鉱脈の爆破を行っている。町に寝ていても耳をすませば聞こえるのだとか。
こんな車で横穴を開けて、ボーリングした直径十センチほどの穴に特別につくられた爆発物を仕込んでゆく↓
この爆発物はKIMULUXというLKABが開発したもので、いわゆるエマルジョン燃料。実際に触らせてもらうとハンドクリームのような感覚だった。
★キムルクスという言葉をはじめてきいた。何度も声に出しているうちに皆さん覚えてしまっていた。
翌日、キールナから二十分ほどのところで見かけたこの輸送車を見かけて、「あれだ」と、思い出された方に教えていただいた↓
爆破させた原石はさらに破砕されて運び出される。選別のための穴はこんな感じ↓
昔のようにつるはしをふるうような作業は、写真を見る限りまったくない。
ハイテク化された鉱山は昔ほどのマンパワーも必要としなくなって、リモートコントロールで作業をするので安全性も飛躍的に高くなった。
鉱脈はさらに五百メートル以上は延びていることが確認されている。まだまだ掘れるということ。
最後にカフェで休憩
かつて街から鉱山労働者たちが通勤につかっていた路面電車があったのだが、その車両が展示されていた↓
***
再び地下からバスで市内中心へ戻る。三時間ほどの鉱山見学、今回は貸切だったのでかなり理解が深まりました。
ホテルへの帰路、夕食用の食材を買い出し。
サーモンのブロック、タラのブロック。北欧らしい食事にしたい。
小松の部屋のキッチンで試行錯誤しながらつくる
●パプリカサラダ
●ブルスケッタ(肉とたらこのペースト、トマトのせて)
●タラのオニオンスープ、芽キャベツ入り
●サーモングリル
こんなメニューにいたしました
***
夕食がそろそろ終わろうかという頃、ドアにノックがきこえた。
「外がすごいことになってます」と、オーロラの出現を知らせてくださった。
一同あわてて外へ出て代空を見上げると…
※参加メンバーT氏撮影
今日はあの地下へ行くのだ。
16世紀からサーメ(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの北極圏先住民)の人々は鉄鉱山の存在を知っていたが、組織的に採掘することはなかった。
1890年にスウェーデンが国営鉄鉱山会社LKABを設立して掘りはじめ、現在の坑道はもともとの頂上から地下1300メートル以上に至っている。
朝食レストランの蒼くなった窓↓
外の雪と暖かい室内のコントラストがなんとも心地よい↓
鉄鉱山に朝陽があたりはじめた09:15、キールナの中心部にあるLKABのインフォメーションセンターへ歩いてゆく↓
少し高台になった小学校の敷地からは遠くの山々にある風車がくっきりと見える↓
「ブリューゲルの絵のようだ」と思う
自分たちの影が長くのびている↓
十五分ほどで到着
ここで簡単な地形説明をうける↓
↑坑道はいまやキールナの町の真下に至っており、崩落の危険がある。2030年までの長期計画で移転が進行中。2018年には市庁舎も移転し、いよいよ大移動が開始予定。
↑赤い線の内側が2033までに崩落の影響があらわれると予想されている地域。
※きのうの日記に書きました
LKABのバスが迎えにきた↓
LKABのマークの二つの山は、キールナヴァーラ(古いフィンランド語系の言葉で「ライチョウの山」をあらわすそうな)と、ルッサヴァーラ(同じく「サーモンの山」)。
この二つの山を主に開発してきたのでこれを会社のマークにしている。
担当ガイドのイーメルさんとギュンネさんと共にバスに乗り込む↓
敷地から出発する鉄を運ぶ列車をちょうど見かけた↓
65台の貨車で150トンの鉄を運ぶ列車が一日十本運行されているそうな。強力な馬力の牽引車が必要なので、列車もLKABで開発した特別性。
ノルウェーのナルヴィク港から三分の二、スウェーデンのルレアから三分の一を運び出す。きのう我々が乗ってきた鉄道は、もともと鉄を運び出すための通されたものだ。EUの消費する鉄の90%がキールナからのものだと聞いて驚いた。この鉄の力があってこそ、スウェーデンは第一、第二次両大戦に参戦せずにすんだのだろう。
敷地内に入る↓遠望していた事務所ビルが近づく。NYCの国連ビルがモデル。似ているかな↓
バスごと、坑道に入っていく。昔々の坑道とはぜんぜん違う。頭を低くしたりすることも一切ない。
降り立った地下560メートルのどころで、全員ヘルメット着用!↓
まぁ、石が落ちてくるようなことは、ほんとうに「万が一」なのでしょうが。
広々とした見学エリア↓9年前に訪れた時も広かったがもっと広くなった様子
映画上映スペースもある↓
英語の解説だが分かりやすい。一日にエッフェル塔四本分にあたる鉄を掘り出している。
ここからの鉄はマグネタイト(磁鉄鉱)で、大変質が良い。原石を掘り出すというだけでなく、砕いて精錬して、鉄鋼会社が必要とする品質に合わせてオーダーメイドの鉄をつくりだしている。だから、高く売れるのか。
きのう、キールナ在住の方から「鉄鉱山の人の給料は、一般住民と比べてとても良いのです」ときいていたので、ストレートに訊ねてみたが…
「LKABでは七千人の従業員が二百以上の職種に分かれて働いています。地下の作業員たちも満足している金額は得ているでしょうね」と微笑まれた。
下は鉱山の断面図↓
現在の最深採掘地点はすでに1500メートルに達している。ここで毎日午前一時十五分から鉱脈の爆破を行っている。町に寝ていても耳をすませば聞こえるのだとか。
こんな車で横穴を開けて、ボーリングした直径十センチほどの穴に特別につくられた爆発物を仕込んでゆく↓
この爆発物はKIMULUXというLKABが開発したもので、いわゆるエマルジョン燃料。実際に触らせてもらうとハンドクリームのような感覚だった。
★キムルクスという言葉をはじめてきいた。何度も声に出しているうちに皆さん覚えてしまっていた。
翌日、キールナから二十分ほどのところで見かけたこの輸送車を見かけて、「あれだ」と、思い出された方に教えていただいた↓
爆破させた原石はさらに破砕されて運び出される。選別のための穴はこんな感じ↓
昔のようにつるはしをふるうような作業は、写真を見る限りまったくない。
ハイテク化された鉱山は昔ほどのマンパワーも必要としなくなって、リモートコントロールで作業をするので安全性も飛躍的に高くなった。
鉱脈はさらに五百メートル以上は延びていることが確認されている。まだまだ掘れるということ。
最後にカフェで休憩
かつて街から鉱山労働者たちが通勤につかっていた路面電車があったのだが、その車両が展示されていた↓
***
再び地下からバスで市内中心へ戻る。三時間ほどの鉱山見学、今回は貸切だったのでかなり理解が深まりました。
ホテルへの帰路、夕食用の食材を買い出し。
サーモンのブロック、タラのブロック。北欧らしい食事にしたい。
小松の部屋のキッチンで試行錯誤しながらつくる
●パプリカサラダ
●ブルスケッタ(肉とたらこのペースト、トマトのせて)
●タラのオニオンスープ、芽キャベツ入り
●サーモングリル
こんなメニューにいたしました
***
夕食がそろそろ終わろうかという頃、ドアにノックがきこえた。
「外がすごいことになってます」と、オーロラの出現を知らせてくださった。
一同あわてて外へ出て代空を見上げると…
※参加メンバーT氏撮影